劇的幕切れで「ジャパンXボウル」をオービックが制す…“日大反則タックル騒動”の富士通・宮川泰介はケガで出場機会なく…
第2Q5分過ぎ、敵陣33ヤードに攻め込んだオービックはセカンドダウンでQBジミー・ロックレイがTEホールデン・ハフにショートパス。だが、LB井本健一郎にタックルを仕掛けられ、ボールをファンブルした。井本にすぐさまこぼれたボールを拾われ、そのままゴールラインまで独走を許してしまう。しかし審判団は、このプレーに関してインスタントリプレー(ビデオ判定)を適用した。ダウンが先か、リカバリーが先かの判断。結果、富士通の同点に迫るタッチダウンは無効になった。 さらに次のプレーで再びインスタントリプレーで判定が覆る。QBロックレイからRB李へのパスが通ったように見えた直後、LB竹内修平の強烈なタックルを浴びた。李がボールをファンブルし、富士通がリカバーしたのだ。攻守交替となったが、審判団は、ここでもインスタントリプレーを採用した。李がキャッチしたのか、それともパスの失敗か、の判断。パスの失敗であれば、攻守交替は認められない。結果、パスの失敗と認定され、2度続けて判定が覆り、オービックは2度もミスを救われた。 オービックは、このもらったチャンスを見逃さない。ドライブを続け、最後は李が中央を突破して、この日、2本目のタッチダウン。TFPはミスしたが13-0とリードを広げた。 大橋ヘッドは、「判定自体は、そういう判定が出るんじゃないかと思っていたが、選手に言ったのは、曖昧なプレーをするから、ああいうことが起きるんだ、ということ」という。 選手に「判定は有利に出たが、まだまだ詰めきれていないところだ。ボールを保持していれば、ああいう場面はないんだ」と檄を飛ばしたという。 ディフェンス陣が奮闘した。次々と富士通のオフェンスラインの壁を突破しQBにプレッシャーをかけた。 第4Q終盤には2ヤードまで迫られる最大のピンチ。富士通は、4thダウンの攻撃でQBマイケルがキーププレーから逆転につなげるタッチダウンを狙ってきたが、ここも、LB成瀬圭汰が足元にくらいついて倒した。 「ディフェンスの組織力。ランプレーでコントロールされないか、をずっと意識してきた。11人の共通意識。それが功を奏した」 大橋ヘッドがディフェンスを称える一方で、富士通の主将が「あそこを取り切れなかったのが今の実力」と振り返った勝敗を分けるシーンだった。