頼みの綱は国産スポーツカーだけ!? 新年を迎えられなかったマニュアルトランスミッション装備モデルたち【海外のMT事情】
マニュアルトランスミッションは絶滅危惧種だ。廃止されるのは残念だが、需要の減少と厳しい排出ガス規制により、過去数年間に数十の自動車メーカーがこのトランスミッションを廃止せざるを得なかった。2024年も例外ではなく、いくつかのハッチバック、一握りのセダン、さらにはピックアップトラックでさえ、2025年に向けて6速MTを失っていった。 ホンダ「シビックSi」と「タイプR」にはまだマニュアルが装備されているが、ベースのシビックハッチバックは6速MTが廃止された。5ドアに設定されるトランスミッションはCVTだけなのだ。ベースのシビックハッチバックスポーツでは最高出力150psを発揮する2.0Lエンジン、ハイブリッドモデルでは最高出力200psの2.0Lエンジンとモーターが組み合わされている。 日本だけでなく、世界的にもマニュアルトランスミッションは絶滅しつつある。。 グラディエーターは、マニュアルトランスミッション搭載ジープとしては最後の1台だったが、今はもうなくなってしまった。ジープは2024年9月、2025年モデルの発売開始にあたり、マニュアルトランスミッションの廃止を発表している。唯一のトランスミッションは8速ATで、3.6L V型6気筒エンジンと組み合わされている。グラディエーターは2025年モデルで最高出力285馬力を発揮している。 キアは「フォルテ」の販売終了と共にマニュアルトランスミッションも廃止した。キアは2024年までは、よりスポーティなGTモデルに6速MTを提供していたが、2025年にはフォルテに代わる新型K4セダンが登場する。このK4セダンはベースモデルがCVTで最高出力140ps、よりスポーティなGT-Lineターボが8速ATで190psとなっている。 ミニはマニュアルトランスミッションのない新時代へと完全に移行した。象徴的なJCW(ジョン・クーパー・ワークスを含むクーパーの全モデルは、2025年モデルで6速MTが廃止される。唯一のトランスミッションは7速DCTで、161psのベースモデル、または201psの「S」と組み合わせることが可能だ。 フォルクスワーゲン(以下VW)のホットハッチGTIは、2025年モデルでマニュアルトランスミッションが廃止される。非常に残念だが、6速MTを廃止し、代わりに7速DCTを採用している。これは、2.0L直列4気筒ターボエンジンと組み合わされ、最高出力241psを発揮する。 GTIと同様に「ゴルフR」も2025年モデルではATのみとなる。7速DCTと2.0L直列4気筒ターボエンジンが組み合わされ、2024年モデルより13ps多い328psで四輪を駆動する。 VW「ジェッタ」には、2024年モデルでもマニュアルトランスミッションのオプションが残っていたことをご存知だろうか? しかし、今はもう残っていない。GTIやゴルフRと同様に、VWは2025年モデルでジェッタの6速MTを廃止している。ジェッタのトランスミッションは基本的に8速ATだ。しかし、「GLI」グレードではマニュアルトランスミッションが引き続き選択できる。 こうした中、実は海外で販売されている日本メーカー車には多くのマニュアルトランスミッション車が健闘している。マツダ「MX-5(ロードスター)」、ホンダ「シビック タイプR」、トヨタ「GR86」、スバル「WRX」のハイパフォーマンスグレード「tS」などだ。WRX tSは4万6875ドル(約739万円)と高額だが、3ペダルを存続させるためにも日本導入を期待したい。
APOLLO
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