来年の1月、第2次トランプ政権が発足すると、投資の環境はどうなるの?
先日実施されたアメリカの大統領選挙では、トランプ氏が再選されました。また、同時に行われた上下両院の選挙において、共和党が上院の過半数を占め、下院については、現時点では共和党が過半数の議席を獲得する可能性が高まっているようです。 仮に上下両院ともに共和党が過半数を上回ると、いわゆる「ねじれ」状態が解消され、トランプ氏の掲げる政策がより実現されやすくなると考えられます。 投資には政治リスク(政治的な不確実性)がつきものですが、今回はあらためて、第2次トランプ政権の政策が、投資にどのような影響を与えるかについて考えていきます。
トランプ氏の掲げる政策
先の大統領選挙において、トランプ氏が掲げていた政策を、簡単におさらいしてみましょう。 1. 経済・財政 トランプ氏の掲げる政策のひとつに、「減税」があります。具体的には、法人税率の引き下げや個人の所得税の最高税率を引き下げることなどです。減税が実施されると、企業の収益が増え、国民生活も改善されるため、一般的に景気がよくなると考えられます。 2. 通商 トランプ氏の掲げる政策のなかでも、最も特徴的といえるのが、通商政策です。第1次トランプ政権ではアメリカ第一主義のもと、中国からの輸入品に高い関税を課し、中国との間で貿易摩擦が起こったことは記憶にあるかもしれません。 第2次トランプ政権では、中国からの輸入品に対しては最大60%、その他の国からの輸入品に対しても関税をかけるとしています。 3. 移民政策 トランプ氏は、メキシコとの間の国境管理を徹底し、不法移民に対して厳しく対処するとしています。 4. ウクライナ情勢 トランプ氏は、ウクライナへの軍事支援に消極的な姿勢を示しており、北大西洋条約機構(NATO)のあり方を見直すことにも言及しています。 5. エネルギー政策 トランプ氏は、気候変動問題に関する国際的な枠組みである「パリ協定」から再度の離脱を掲げ、エネルギーの生産量を増やすことで、エネルギー価格や電力価格を半減させることを表明しています。