アストンマーティン、イモラで投入のアップデートは”攻めの姿勢”の表れ「昨年の学びを生かした」
アストンマーティンは、F1第7戦エミリア・ロマーニャGPに一連のアップデート・パッケージを持ち込んだ。そしてチームは、これが昨年の停滞を糧にした”積極的な”開発プログラムの一歩だと説明した。 【リザルト】F1第7戦エミリア・ロマーニャGP:予選結果 今季のアストンマーティンは、中団争いのトップの座を固めてはいるものの、メルセデスから大きく離された5番手チームといったところだ。 2023年シーズン序盤、フェルナンド・アロンソが表彰台を獲得した時のような速さはアストンマーティンに無く、サーキットのコンディションによって予選と決勝のパフォーマンスに奇妙な乖離が生じている状態だ。 特に予選でアロンソが本来の位置を上回るグリッドを獲得した後、決勝で後退するというケースがすでに何回か見られている。 テクニカル・ディレクターのダン・ファロウズは、チームはなぜ他のサーキットよりも上手くマシンが機能するコースがあるのかを特定しており、フロアの再設計や新しいフロントウイングとディフューザーを含むイモラでの大型アップデートを通じて、その学びの多くを形にしていると説明した。 「今回のアップデートの大部分は、ローンチカーやテスト中のマシンから見えてきたもの、そしてそれをどう進化させたいかに基づいている」 「いくつかのサーキットは他のサーキットよりも我々のマシンに合っていることが分かった。そして我々は、どこでもパフォーマンスを発揮できるようにすることに集中した」 「グランドエフェクトカーの時代になってからは、特定のパフォーマンスウィンドウがあり、それを常に広げようとしているんだ」 「アップデートを施したときには、あらゆるコンディションでパフォーマンスを発揮できるようにしたいんだ」 エミリア・ロマーニャGPのFP1では、アロンソだけが新パッケージを試し、チームは新旧の使用を同時に比較・評価することができた。その後、FP2からはランス・ストロールのマシンにもアップデートパーツが搭載された。 アロンソはFP2を10番手、ストロールは13番手で終えたものの、予選ではアロンソがマシントラブルに見舞われたこともあってまさかのQ1敗退で19番手となってしまった。ストロールも13番手とQ3に進出できなかったものの、アロンソ曰く新パッケージの感触は悪くなかったという。 今回はアロンソが後方からのレースとなる上、次戦モナコGPもそのコース特性上、アップデートの効果を把握するのは難しいかもしれないが、チームとしてはアップデートが機能することに自信を持っているようだ。 2023年はシーズン前半に輝きを放ったものの、シーズン中の開発ペースを維持するのに苦労し、徐々に後退してコンストラクターズランキング5位に終わったアストンマーティン。ファロウズ曰く、こうした失敗から得た知見の多くは、彼が”かなり積極的”と呼ぶアップグレードプログラムに生かされているという。 「以前よりもハードにプッシュできる部分と、もう少し注意しなければならない部分があることに気づいたんだ」 「経験から学び、こうしたアップデートが機能することにより自信を持てるようになった」 「かなりアグレッシブだ。シーズン序盤から多くのチャンスがあるクルマだと分かっていたから、継続的なアップグレードを行ないたかったんだ」 「これはおそらく、これまでで最大のアップデートだ。でも、これは我々のプランの一部だし、次の数レースもこの調子でいきたい」 FIAが発表している書類によると、アストンマーティンはエミリア・ロマーニャGPでフロントウイングやノーズ、フロアのボディやフェンス、フロアエッジ、ディフューザー、エンジンカバー、リヤサスペンションがアップデートされている。
Filip Cleeren