エリックサウス稲田俊輔さんが語る、飲食店プロデュースの極意と「最高のランチの楽しみ方」
ライフハッカー・ジャパンとBOOK LAB TOKYOがコラボ開催するトークイベント「BOOK LAB TALK」。第40回目のゲストは、『食いしん坊のお悩み相談』の著者・稲田俊輔さんです。 エリックサウス稲田俊輔さんが語る、飲食店プロデュースの極意と「最高のランチの楽しみ方」 稲田さんは日本に南インド料理とミールスを広めた「エリックサウス」の総料理長であり、数々の飲食店のプロデュースや商品開発を手がける食のエキスパート。 飲食店プロデュース・経営の極意や、ビジネスパーソンのためのランチの楽しみ方について、おおいに語っていただきました。
ロマンとビジネスのバランスをとる
稲田さんが飲食店のプロデュースにおいて、もっとも大切にしていると話すのが、「ロマンとビジネスのバランス」。 食におけるロマンとは、その料理のバックボーンとなる食文化に触れること。 ビリヤニであれば、インドと日本では、好みも感じ方も違います。その差異にこそ面白さがあり、ロマンがある。それをいじりすぎると大事なロマンがどんどん欠けていってしまいます。 僕としては、多くの人にとっての「食べやすさ」を意識するのは大事だけれど最優先事項ではありません。(稲田さん、以下同) もちろん料理をつくるプロとして、マスをターゲットにしたマーケットも理解しています。そこでコンビニとのコラボメニューでは、もっとも幅広い層に受け入れられそうなパターンと、マニア層に喜んでもらえそうなパターンで2通りのレシピを提示し、落とし所を探るとのこと。 一方、自身の飲食店では多くの人が楽しめるような自由度の高いメニューを展開することができます。 重要なのはメニューでお客様の「交通整理」を行なうこと。 より本格的な味を楽しみたい人向けのメニューなら、あえて写真を載せなかったりすることもあります。極端な話、キャプションにネガティブなことを書くことも。 たとえば、ロマン度の高い「グラブジャムン」というデザートは、強烈な甘さが特徴。キャプションには「日本ではあまり人気のないデザート。容赦なく甘いハニーバター味と、それより多少マシなヨーグルト味をご用意」と、ネガティブポイントが明記されています。 こんなふうに書かれると、逆に「これは食べなくちゃ」とチャレンジ精神をそそられるのがマニアたる所以。メニューはオススメポイントばかり書くのではなく、飲食店の思想を伝えるとおもしろくなると話します。