藤田晋オーナーのエリキング無傷3連勝で重賞初Vも川田騎手まず苦言/京都2歳S
<京都2歳S>◇23日=京都◇G3◇芝2000メートル◇2歳◇出走8頭 良血エリキング(牡、中内田)が、無傷3連勝で重賞初制覇を果たした。勝負どころで手応えが怪しくなる若さを見せながらも、直線の猛スパートで勝ち切り、単勝1・9倍の圧倒的支持に応えた。「ウマ娘」でも知られる藤田晋オーナー(51)は、昨年シンエンペラーに続いて連覇を達成。今後は来年のクラシックを目指し“充電”する。 【写真】京都2歳Sを制したエリキング ◇ ◇ ◇ 軽く下っている京都内回りの3コーナー。エリキングの手応えは怪しくなった。中内田師は「一瞬、ひやっとした」という。だが、川田騎手が手綱をぐいぐい押すと、ゴール前ラスト1ハロンで再加速。目覚めたような伸びで一気に抜け出した。 鞍上はまず苦言を呈した。「前走より中間の状態は良かったですし、成長を感じていました。それにふさわしい走りをと思っていましたが、競馬に結びつきませんでした」。それでいて無傷3連勝。「今日は無理に動かしたが、それでも勝ってくれた」。そのあたりが非凡さだろう。 3代母ユーザーフレンドリーは欧州でG1を5勝した名牝で、92年ジャパンCにも参戦(6着)。母のヤングスターもオーストラリアのG1馬で、エリキング自身は23年セレクトセールで2億1000万円(税抜き)で取引された。鞍上が「もともと素質は高く、お父さん(キズナ)特有の背中の良さがある」と評すようにそれに見合った能力を見せている。今回の厳しい競馬も「先につながるいい経験」と糧になった。 次走は未定も「年内は使わず来年に備える」と中内田師。25年にさらに進化した姿を見せる。【岡本光男】 ◆エリキング ▽父 キズナ▽母 ヤングスター(ハイシャパラル)▽牡2▽馬主 藤田晋▽調教師 中内田充正(栗東)▽生産者 ノーザンファーム(北海道安平町)▽戦績 3戦3勝▽総獲得賞金 5662万円▽馬名の由来 人名より+王