厚生年金「月額15~20万円未満」もらえる人の割合は?ひとりの老後生活費は約15万円
総務省の「家計調査報告 家計収支編 2023年(令和5年)平均結果の概要」によれば、65歳以上の単身無職世帯の1か月の支出合計は15万7673円です。 ◆【写真6枚】厚生年金と国民年金「1万円刻みの人数」もチェック もちろん生活費は住まいの状況や車の所有、食費など個人差があるものですが、ひとり暮らしの平均的な生活費をみると「老後年金を15万円くらいはもらいたい」と考える方もいるのではないでしょうか。 では、実際に現代シニアはどれくらいの年金を受給しているのでしょうか。 今回は厚生年金と国民年金の基本的な概要と5万円刻みの受給権者数について解説します。 ※編集部注:外部配信先ではハイパーリンクや図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。
「厚生年金と国民年金」の基本的な概要
日本の公的年金制度は、大きく分けて厚生年金と国民年金の2階建ての構造です。 それぞれの制度の内容を見ていきましょう。 ●厚生年金について 厚生年金は公的年金制度の2階部分になります。 主な特徴は以下のとおりです。 ・会社員や公務員などが国民年金に上乗せして加入 ・保険料は収入に応じる(上限有り) ・年金額は加入期間や納付保険料に応じた金額を国民年金に上乗せ 厚生年金は加入期間が長かったり、収入が多かったりした人ほど将来の受給額も多くなります。 ●国民年金について 国民年金は公的年金制度の1階部分になります。 主な特徴は以下のとおりです。 ・日本に住む20歳から60歳未満の原則すべての方が加入 ・保険料は年度ごとに改定があるものの一律の金額 ・年金額は納付期間に応じる 上記のように2階建てとなっています。
厚生年金「月額15~20万円未満」もらえる人の割合は?平均年金月額はいくらか
では、厚生年金と国民年金の平均的な年金月額を見ていきましょう。 厚生労働省が公表した「令和4年度厚生年金・国民年金事業の概況」によると、厚生年金の平均受給額は下記の表からわかります。 厚生年金のひと月の平均年金月額は以下のとおりです。 ●厚生年金の平均年金月額 ・全体:14万3973円 ・男性:16万3875円 ・女性:10万4878円 また、年金月額を5万円ごとに分けた年金受給権者数は以下のとおりになります。 ●厚生年金の5万円刻みの年金受給権者数 ・1万円以上~5万円未満:32万9581人(2.1%) ・5万円以上~10万円未満:330万4478人(20.7%) ・10万円以上~15万円未満:498万6068人(31.2%) ・15万円以上~20万円未満:501万3736人(31.3%) ・20万円以上~25万円未満:213万1684人(13.3%) ・25万円以上~30万円未満:21万8664人(1.4%) ・30万円以上~:1万2490人(0.1%) 上記で示した年金月額は国民年金部分を含んだ金額です。 男女間での平均年金月額の差は、賃金差や就業年数の違いが主な要因と考えられます。 女性の場合、出産や育児により働き方を変える人も多いので、就業年数が少なくなり男性に比べて低くなっていると考えられるでしょう。 ただし、昨今の働き方改革などにより、男女間での平均年金月額の差は縮まっていくことも考えられるでしょう。 また、金額ごとにみると「10万円以上~15万円未満」と「15万円以上~20万円未満」がおよそ3割ずつとなりました。 月15万円以上の割合でみると約46%となっており、半分以上は15万円以下であることがわかります。