「もずく」と「めかぶ」、「木綿」と「絹ごし」健康的にお得なのはどっち?食品選びの新基準「健康コスパ」を知ろう
常備品としても重宝する魚の缶詰で栄養価が高いのはツナ缶?サバ缶?
そのままでも、調理に使ってもおいしいツナ缶と、ダイエットに良いとテレビ番組で紹介されブームが巻き起こったサバ缶。使い勝手がよくて常備品としても重宝する缶詰ですが、栄養価が高い健康コスパの視点で見るとサバ缶が「圧勝」という結果に。 「比較ポイントは『オメガ3脂肪酸』の含有量です。サバ缶はツナ缶に比べ、血液凝固低下作用や認知症の予防効果が期待されるオメガ3脂肪酸を多く含んでいます。その他、カルシウムやビタミンD、鉄、亜鉛ビタミンEなどもサバ缶の方が豊富に含まれているため、あっさりして脂質が少ないツナ缶に比べて、サバ缶の方が全体的に栄養価は高くなっています」
食物繊維やミネラルが手軽に摂れて低カロリーの海藻はどちらに軍配が?
食物繊維やミネラルが手軽に摂れて低カロリーの「もずく」と「めかぶ」。食物繊維の含有量を比較すると、めかぶはわかめの根元部分を使っていることもあり、もずくに比べて食物繊維が100gあたり3.4g、もずくは1.4gとなっており、2倍以上という大きな差があります。 造血ビタミンと呼ばれる「葉酸」「カリウム」など多くの栄養素でめかぶが上回るため、健康コスパはめかぶが高いといえます。
食用油は「酸化のしにくさ」によって健康コスパが決まる
オリーブの実をしぼって作るエクストラバージンオリーブオイルには、ポリフェノール類やビタミンEなどの抗酸化ビタミンが多いのが特徴です。 ごま油は、コレステロールを低下する作用が期待できるほか、ゴマリグナンやビタミンEなどの抗酸化成分が豊富に含まれており、脂肪酸の代謝促進などに効果的。 それぞれに健康効果はありますが、“酸化のしにくさ”という点で、エクストラバージンオリーブオイルの方が健康コスパは高いといえます。 エクストラバージンオリーブオイルは価格差が大きく、こだわればこだわるほど高額になってしまいますが、ごま油は安定的な価格帯で売られていることもあり、コスパ(費用対効果)ではごま油の方が高くなるので、双方を使い分けるのがお財布にも優しいかもしれません。 節約志向が高まる中では価格の安いものを選びがちですが、同じ価格帯の食材なら、「健康コスパ」を判断の基準に入れると、より健康を意識した選択ができます。日々の食材選びの指標のひとつとして参考にしてみてはいかがでしょうか。 取材・文/阿部純子
【取材協力】 浅野まみこさん 管理栄養士・健康戦略コンサルタント。総合病院、女性クリニック、企業カウンセリングにて糖尿病の行動変容理論をベースに1万8千人以上の栄養相談を実施。その経験を生かし、健康経営サポート、レシピ開発、食のコンサルティング、講演、イベント等で活動。具体的な食品を使った実践型栄養アドバイスをモットーとしている。
kufura編集部