ザックJ 真のA代表に招集されるのは誰だ
最有力は柿谷、豊田の2人
東アジアカップ組から「真のA代表」に招集されるのは誰になるのか。 ウルグアイ代表との国際親善試合(14日@宮城スタジアム)に臨む日本代表メンバーは8日に発表される。日本サッカー協会はすでにヨーロッパでプレーする13人の選手が所属するクラブに、代表招集への協力を求めるレターを送付した。 MF本田圭佑(CSKAモスクワ)、FW香川真司(マンチェスター・ユナイテッド)ら6月のコンフェデ杯を戦った海外組に加え、アルベルト・ザッケローニ監督が「実力は分かっている」と大きな信頼を寄せて、新戦力の発掘を目的とした東アジア杯出場を免除したMF遠藤保仁、DF今野泰幸(共にガンバ大阪)、FW前田遼一(ジュビロ磐田)、MF中村憲剛(川崎フロンターレ)らのJリーガーの常連組が招集されるのは間違いない。 20人もしくは23人が予想されるウルグアイ戦の招集メンバーの中で、東アジアカップで初キャップを獲得した「新顔」が割り込む“イス”の数は限られてくる。2つもしくは、多くとも3つになるだろう。 今回は、左太もも痛から回復したばかりのFWハーフナー・マイク(フィテッセ)の招集が見送られている。ワントップを担うのが前田だけという状況を合わせて考えれば、東アジアカップでワントップを務めた2人、柿谷曜一朗(セレッソ大阪)と豊田陽平(サガン鳥栖)が最有力候補と言える。 元日本代表MFで、現在は解説者を務める水沼貴史氏は「今回のウルグアイ戦では柿谷が新しく入っていればそれでいい」と3ゴールで東アジアカップの得点王に輝いた23歳へ期待を寄せる。 「韓国戦で決めた1点目のように、ロングボールに反応して相手の最終ラインの裏に抜け出し、一人で局面を打開できる前線の選手はこれまでのA代表にはいなかった。所属するセレッソでも、味方の長いボールから何度もゴールを決めている。柿谷の特徴が既存の選手たちと合うのかどうか、既存の選手たちと融合したらどうなるのか。興味本位の視点で見てみたい」 ザッケローニ体制で長くワントップを務めてきた前田は、前線での堅実なポストプレーとボールキープで本田や香川、FW岡崎慎司(マインツ)ら2列目の選手のゴール前への飛び出しを促し、相手ボールになった直後には高い位置からの献身的なプレスで守備の「一の矢」を担ってきた。 いずれも柿谷には備わっていない要素であり、柿谷が、ワントップに入ればザックジャパンのこれまで構築してきたシステムが、必然的に変化せざるを得ない状況となる。水沼氏が続ける。 「今までと同じことをやっていても意味がないわけだから。豊田や齋藤学(横浜F・マリノス)が入ればどうなるかはだいたい想像できるけど、柿谷だけは想像できない。そこが楽しみでもある」