「長友佑都はコーチとして呼べばいい」の発想はナンセンス。久保建英とのやり取りが示すこのベテランの重要性【コラム/日本代表】
代表選出に説得力を欠く部分はあるが
2024円10月3日、W杯アジア最終予選でサウジアラビア(10月10日)、オーストラリア(10月15日)と戦う日本代表メンバーが発表された。9月の招集メンバーから浅野拓磨、中山雄太、細谷真大が外れ、新たに瀬古歩夢、大橋祐紀(A代表初選出)、藤田譲瑠チマが呼ばれた。 【PHOTO】サウジアラビア&オーストラリアと対戦!W杯アジア最終予選で難敵との連戦に挑む日本代表招集メンバーを一挙紹介! 9月と同じ27名が名を連ね、そのリストには「長友佑都」も含まれていた。正直、最近のFC東京で長友は日本代表に相応しい活躍をしているとは言い難い。直近の横浜F・マリノス戦こそスタメン出場してゴールに絡んだが、8月31日のサンフレッチェ広島戦と9月14日の名古屋戦はベンチスタートで出番なし、続く9月21日の浦和レッズ戦は途中出場と準レギュラー的な立ち位置なのだ。 純粋な戦力として見た場合、FC東京でのパフォーマンスで判断すると、長友の代表選出は説得力を欠く。ただ、日本代表での長友は信じられないほどの存在感を示す。代表経験の少ない若手とも積極的にコミュニケーションを取り、久保建英などにイジられれば抜群の返しでチームの雰囲気を明るくする。チームという組織を機能させるうえで、長友は重要なピースなのだ。 いわゆるムードメーカーなら「長友はコーチとして呼べばいい」との声があるが、それには賛同できない。そもそも、現役選手に「コーチとして」なんて失礼な話で、本人が承諾するとも思えない。9月に長谷部誠も加わったコーチ陣をこれ以上増やす意味がないのも、「長友コーチ」を否定する根拠のひとつだ。 加えて、選手とコーチでは距離感が違う。例えば、今年3月の代表活動中、選手たちがファンに向けて「勝利のハチマキ」に決意のメッセージを記す作業があった。そこで久保建英は長友に「佑都さん、『ブラボー』でいいんじゃないですか?」と提案。すると、長友は「お前、しばくよ」と一喝してチームメイトの爆笑を誘った。長友をコーチとして呼べば、こういうやり取りがなくなるのだ。 安易に「コーチとして呼べばいい」はナンセンス。選手同士だからこそのコミュニケーションがあるし、そこで唯一無二のパーツになっている実績もあるから、長友は今回も代表に呼ばれているのだろう。 もちろん、雑音を封じたければ長友はピッチで実力を示す必要がある。9月の代表2試合はいずれもメンバー外だったのだから、今回は登録枠の23人には少なくとも入ってほしい。それができないと、「長友はコーチとして」との声が大きくなる可能性はある。 文●白鳥和洋(サッカーダイジェストTV編集長)
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