上司に及ぶ「部下の業務のしわ寄せ」 苦しい職場を変える業務効率化のヒント
効率を良くするために、業務のアウトソーシングなどを上手く利用する
業務の効率化を図るためには、「リソース」を増やす方法も一つですが、それだけでは限界があります。そこで注目したいのが、アウトソーシングの活用です。アウトソーシングをうまく取り入れることで、上司の負担を減らし、部下に余計な負担をかけずに業務を進めることができます。アウトソーシングを活用するメリットとしては以下のような点が挙げられます。 ①専門性の高い業務を外部のプロに任せる 自社にないスキルや専門知識を持つ外部のパートナーに任せることで、業務を迅速かつ質の高い形で進めることができます。例えば、ITシステムの運用や経理業務、マーケティングなどが外部委託されることが多いです。 ②コスト削減と労力の分散 特定の業務を外部に委託することで、社員にかかる負担を減らし、社内リソースを他の重要業務に集中させ、そして業務の属人化も防ぐことができます。また、必要なときに必要なリソースだけを活用できるため、コストを効率的に管理することも可能です。 ③柔軟性の向上 業務量が一時的に増加した場合でも、アウトソーシングを使えば迅速に対応することができ、柔軟に組織のリソースを調整することができます。 ただし、アウトソーシングを行う際には、外部の業者に対して過剰に依存してしまって業務がブラックボックス化しないように業務の進捗状況を把握し、必要に応じて調整や指導を行うことも必要となります。また、依頼先が明確で、信頼できるパートナーであるかどうかを見極めることも上司としての重要な役割となります。
上司へのサポートこそ働き方改革の重要点になる
「働き方改革」と言われる中で、部下へのサポート体制の強化が注目されていますが、実は上司へのサポートも同様に重要です。部下の働き方を変え、労働環境を改善していくためには、まず上司自身が効率よく業務を進め、チームの調整や支援ができる状態を作り出さなければなりません。そのために上司にも以下のような対応が重要になって来ます。 ①上司が抱える負担の軽減 上司の負担が大きくなりすぎると、そのしわ寄せが部下に影響を与え、最終的に組織全体のパフォーマンスに悪影響を及ぼします。そのため、上司に対しても適切なサポートが必要です。例えば、マネジメントスキルとしてタイムマネジメントやリードマネジメントなどの研修を受けたり、業務を効率化するためのツールを導入したりすることで、上司がよりよい判断を下せるように支援することが重要です。 ②メンタルヘルスのケア 多くの上司が、部下のケアと業務の板挟みに悩んでいます。そして、ストレスやプレッシャーを抱えることも少なくありません。このような状況の中では上司同士がお互いの悩みを共有し、情報交換を行える場の提供、上司が困った時に気軽に相談できる窓口の設置や定期的なメンタルヘルスケアの取り組みも重要な施策となります。上司自身が心も体も健康でいることが、結果的に部下やチーム全体を守ることに繋がります。 ③働きやすい環境づくりのために 組織は常に人が入れ替わります。その度に新たなやり方を考えていたのでは業務負担は軽減されません。働きやすい環境を作るためには、上司として部下を支えつつ、上司が抱える業務負担を軽減するための戦略を練ることが必要です。無理なく成果を上げる仕組みを作ることで、組織全体の働き方改革が実現します。