異例の病院更改で年俸1億円突破の西武・平良海馬が抱く次なる野望とは…「山本由伸のような支配的投手」
所沢市内の球団事務所で渡辺GMが、都内の病院の病室では平良がオンラインで交渉。第三者と接触する時間を可能な限り短くする配慮が施される、異例とも言える形式が取られたなかで、球団関係者が持参した契約書に平良がサインした。 交渉を終えた平良はオンライン会見に臨み、5年目への抱負を語った。 「今シーズンはイメージを大きく持って、実際にその通りになりました。来シーズンはもっと広げてすごいピッチャーになりたい。MVPを受賞した山本投手は本当に支配的なピッチングをしたので、そういうピッチャーになりたい。数字をあげるのはなかなか難しいんですけど、わかりやすい防御率で言えばまた0点台を目指したい」 昨年の契約更改後に、防御率を「1点台の前半から0点台」を目標として掲げた。この数字が平良をして「イメージを大きく持って」と言わしめた。あれから1年。MVPだけでなく沢村賞にも輝いた山本由伸(オリックス)のような、対戦相手を支配するピッチャーに近づくための青写真を、平良は病室のなかで具体的に描いている。 例えば四球。投球回数が昨シーズンの「53」から「60」に増えたなかで、四球そのものは「29」から「28」へ逆に減った。しかし、自らも侍ジャパンに名を連ね、金メダリストになった東京五輪後は四球からピンチを招く場面が増えた。 最終的には20セーブをマーク。不調の増田達至に代わる守護神を拝命する前に記録した21ホールドを合わせてパ・リーグで初めて、プロ野球全体では2011年の久保裕也(巨人)以来となる、同一シーズンでの「20セーブ・20ホールド」をマークした。 それでも10月に入ると立て続けに救援失敗を、それも四球から招いた軌跡に納得がいかないのだろう。平良は「ホールドとかセーブはどちらでもいいので、点を取られないように心がけていきたい」と来シーズンを見すえ、四球に対してこう言及した。 「わざと勝負しない場面もあったんですけど、そこはあえて勝負していけたら」 凡打の山を築き上げるための方策も、もちろん講じている。