クラウド会計「使ってみた」(3) MFクラウド確定申告はAIが助けてくれる
Macユーザーの筆者が、会計知識がなくても簡単・効率的に作業できる会計ソフトを探し求める当企画。今回は、マネーフォワード(東京都港区)を訪れて、「MFクラウド確定申告」の使い方や特徴を聞きました。 クラウド会計「使ってみた」(1)会計知識なしで使える会計ソフトが欲しい 「当社のソフトは、税理士の皆さんにも高い評価を受けています」と同社社長室広報部長の柏木彩さん。同社サイトには「会計事務所が顧問先に勧めたいクラウド会計ソフトNo.1!」というキャッチコピーが踊り、「確定申告がラクになった」というユーザーの声が紹介されています。専門家からの信頼が厚いことがうかがえますが、会計処理も簡単なソフトなのでしょうか。やはり期待が膨らみます。
AIが勘定科目を推測
「勘定科目の推測については、他社も何らかのアルゴリズムを使っているようですが、AI(人工知能)の精度については自信を持っています」と柏木さんは胸を張りました。 ほかのクラウド型会計ソフトと同じく、「MFクラウド確定申告」も、銀行口座やクレジットカードの取引明細を自動的にソフトに取り込む機能を持っています。 パソコンでMFクラウド確定申告にログインし、ホーム画面の左側のメニューにある「自動で仕訳」から「連携サービスから入力」を選択すると、取り込んだ取引明細の一覧表が表示されます。各取引の勘定科目欄には、すでに「売上高」「雑費」などと入力されていました。柏木さんの言うとおり、この勘定科目はAIが推測、提案しているのです。 AIは、同社会計ソフトの全ユーザーの膨大な仕訳情報を学習して勘定科目を推測、各ユーザーに提案します。それを受けて、ユーザーが適切な勘定科目を選んで登録すれば、AIがさらに学習。次回以降、より適切な勘定科目が自動的に提案される、という仕組みだそうです。「たとえば、この金額は3万円以上だからこの科目だななどと、いろいろな条件を学習してどんどん賢くなっていくんです」と柏木さん。 表示された取引を確認していると、A社からの原稿料振り込みに目が留まりました。勘定科目は「売掛金」と表示されていますが、「売上高」が適切です。「これを売上高に変えて1回登録してしまえば、次回以降、A社からの振り込みは売上高になります」という柏木さんの指示にしたがって操作し、登録しました。