【オール巨人×ガクテンソク】『THE SECOND』2代目王者が語る"一生賞レース"時代の本音
奥田 大阪から来たばっかりのときは、まわしを締めて、リングで相撲を取っているような感覚がありましたから。それだけで目立って......。 巨人 それが肌に合わんというやつもおるやろうしな。せやから無理に東京に居続ける必要もないと思うんよ。イヤになったら、また、大阪に帰ってくればええんやから。 奥田 でも東京へ行くとき、メッセンジャーのあいはら(雅一)さんに言われたんです。「簡単に戻ってこれると思うなよ」って。「大阪は、おまえたちは一度、大阪を捨てたと思ってるからな」と。 巨人 そんなことないやろ。それはそれで惜別の言葉やったんちゃう? よじょう でも、ほんまに最初の1年間、NGK(なんばグランド花月)からまったく呼ばれんようになりました。 奥田 『セカンド』で優勝してからやな。呼んでもらえるようになったの。でも、まだ、トータルで10回くらいしか呼ばれていないと思う。 巨人 『セカンド』で優勝して、一番変わったことは? 奥田 スケジュールの空白のなさですね。優勝から7ヵ月、変わらず忙しいままでありがたいです。丸1日休んだのは5日間とかじゃないですか。 よじょう 僕は新幹線の移動がグリーン車に変わったのが一番うれしかったです。 巨人 あと、変えなあかんのは意識やな。いずれ、NGKでトリを取れるような漫才師にならなあかん。もし今、「トリ、取ってくれる?」って言われたら、「いや、ちょっと待ってください」ってなるやろ。 奥田 間違いなくなります。 よじょう 固まります。 巨人 そう言われたら「ほな、行かせてもらいます」と思えるようにしとかんと。5年以内にそんな日が来るんちゃう? 奥田 ありがたいなあ。 よじょう あと5年、死ぬ気で行きます! 奥田 せやったら、トリ取れたとき死んどるやん。そっからやのに。 巨人 ハーッハッハッハ。 ●オール巨人(オール阪神・巨人)1951年生まれ、大阪府出身。高校卒業後、実家の鶏卵卸業勤務を経て、74年に岡八朗に弟子入り。75年にオール阪神・巨人を結成。デビュー直後から爆発的な人気を博す。「上方漫才大賞」受賞4回は史上最多。19年には「紫綬褒章」を受章。『週刊プレイボーイ』本誌で『オール巨人の劇場漫才師の流儀』を連載中 ●よじょう(ガクテンソク)1981年生まれ、兵庫県出身。関西大学卒業。相方の奥田修二とは中学からの同級生。2005年に学天即(現ガクテンソク)を結成。中学社会と高校地理歴史の教員免許を所持している。狩猟免許を所有。趣味は読書、雨乞い、茶道など ●奥田修二(ガクテンソク)1982年生まれ、兵庫県出身。造園会社の社員を経て、学天即(現ガクテンソク)を結成。日本最古の書物『古事記』が好きで、noteでその魅力を発信している。アイドル好きを公言し、仕事でも数多くの推しグループと共演が実現した 取材・文/中村 計 撮影/矢橋恵一