「死んだ方がどんなに楽やったか」理解されず苦しんだ“震災障害者” 生きる希望となった「よろず相談室」の記録を後世へ【震災30年つなぐ未来へ】
■よろず相談室のあゆみがこれからも問いかけ続ける
牧秀一さん:久しぶりやなあ。 ともに歩んできた震災障害者の人たちとの交流は、今も牧さんにとって大切な時間だ。 娘が脳に後遺症・城戸美智子さん:(当時)牧先生と、小さいフロアで人がいっぱいの中で、鍋したり、お菓子食べたりして、しゃべっていましたね。 娘の洋子さん(44)が ピアノの下敷きになり、脳に障害を負った城戸さんは、支援を求めても相談窓口すらなかった。 娘が脳に後遺症・城戸美智子さん:言葉でどう説明したらいいか、言ってるうちに、自分もだんだんしんどくなってきて。あれができない、これができないとかで落ち込んでくる。 震災から10年ぐらいは、(娘のことを)誰にも分かってもらえなくて、どこに行っても1から説明しないといけなかったので、よろずに関わってもらって、洋子ちゃんはこういう人と分かってもらえるから、すごく楽。 両足に障害 甲斐研太郎さん:普通の人に話を聞いてもらっても、安心感が得られないというのが、お互いえらい目にあった人同士なら、何も言わなくても分かるし、相手に気持ちも通じる。 娘が脳に後遺症・城戸美智子さん:これから(よろずに)興味ある人が調べられるということやね。深く調べようと思えば、資料があるわけやんね。 牧秀一さん:学者さんも調べられる。 娘が脳に後遺症・城戸美智子さん:先生良かったね…。 被災者支援では、30年かけて進んできたことと、今も残る課題がある。 よろず相談室のあゆみが、これからを生きる私たちに問いかけ続ける。 牧秀一さんたち「よろず相談室」が把握に努めてきた「震災障害者」の実態把握は、現在も自治体レベルで止まっていて、国の災害記録には掲載がない。 その存在を周知し、実態を把握することが求められている。 (関西テレビ「newsランナー」2025年1月7日放送)
関西テレビ