ネイルアーティストの地位向上! レディー•ガガやビヨンセを顧客に持つ日本人セレブリティーネイルアーティストが語る業界改革
MIHO:最初、お金は出せないけれど雑誌の表紙撮影のネイルをやってくれないかと言われて、フリーで数をこなしていました。それをインスタグラムに投稿していったら、履歴が積み上がって、仕事が広がっていったという感じです。今では撮影で「MIHOに言ったらなんとかなる」っていうポジションになりつつあって、ありがたいことに「MIHOを呼ぼう」みたいな安心感を持ってもらっていると思います。
WWD:広告撮影の中で現場での印象的なエピソードはありますか?
MIHO:レディー•ガガ(Lady Gaga)とアリアナ・グランデ(Ariana Grande)がコラボした”rain on me”という曲があるんですけど、そのMV撮影ですね。衣装がピンクでガチャガチャして派手な感じだったんですけど、ネイルは黒でめっちゃシンプルがいいって言われてたんですよ。でも、「ゴリゴリだからゴリゴリじゃね? こんな派手な衣装なのにネイルが黒だけかよ!」と思ったので、3パターンぐらい作って「第一本命は派手なピンクのネイルなんだけど……」という感じで派手なネイルを見せると「これにする!」って一番ガチャガチャなネイルを選んでくれました。この衣装とセットと音楽だったらと思って提案したら、めちゃくちゃ映えてよかったこともありました。
セレブからリピートされるMIHOさんのクリエイティブのポイントはどこにあると思いますか。
MIHO:みんなに驚かれるのは、どんな撮影でもネイルを“現場”で作ることです。他のネイルアーティストは前もって準備していく人が多いんですけど、色や素材の見え方は現場でないと分からないし、何を使うかも当日に変わるので、撮影に行ったらまずスタイリストのところに行ってその日の衣装候補を見て、ヘアメイクにはどんな色が使われるのか確認します。現場でありったけのインプットをして、超スピーディーに作っています。そのほうがクリエイションの面で効率的だし、インスピレーションをそのまま落とし込んだフレッシュな作品を作れます。撮影は生ものなので臨機応変に対応できる能力と、瞬発的にデザインを起こせる能力が他の人よりも長けているのを評価されているのかもしれません。