伝法院の門に残る<ロック>の文字は反体制でもあの方の実家という意味でもなく…<旧町名>でたどる台東区の歴史
◆浅草聖天横町 <浅草聖天横町> 待乳山聖天(まつちやましょうでん)の境内ではやたら大根を目にします。 水鉢や提灯に大根が描かれているばかりか、参拝者が本堂に供えるための大根が1本200円で販売されています。 さらに毎年1月7日には2000人の参拝者に風呂吹き大根が振舞われる祭りまで挙行されているとか。 この謎の大根推し。お寺のパンフレットによると、大根は「深い迷いの心、瞋(いかり)の毒を表し、大根をお供えすることによって、聖天様が心の毒を清めてくださいます」とのこと。 おそらく大根を供えることで聖天様という名の消化酵素が活性化され、でんぷんやグリコーゲンを分解し体内の毒素が中和されるのでしょう。なるほど、聖天様とはジアスターゼのことでしたか。 ちなみに農林水産省発表の作況調査によると令和2年産の大根の収穫量は約125万トンで出荷量は約103万トン。 大根の利用頻度を踏まえると、その出荷先は待乳山聖天と東京農業大学応援団の寡占市場なのかもしれません。 その待乳山聖天の横の旧町名です。くり返しになりますが、文字通り横です。
◆池之端七軒町、下谷區上野花園町 <池之端七軒町> 旧町名中の「町」の読み方は「まち」か「ちょう」か。 深刻な問題です。 イベント登壇時に自信がなく「**町?」と語尾を微妙な疑問形にしたり、ラジオで「まち」が正解なのを「ちょう」と発言して指摘されたりで自信がないです。 ただ今回の旧町名は大丈夫。いけのはたしちげんちょうですね。さて正解は。 <下谷區上野花園町> 消滅した昭和41年を起点に、過去と未来の二軸で花園は残っています。 まず過去、昭和4年築の都選定歴史的建造物に下谷區上野花園(はなぞの)町が現存。 次に未来、昭和45年に赤札堂社員寮「花園寮」が竣工。 消滅から3年後にあえての花園。 さらに未来、令和2年に旧花園寮がアート施設にフルリノベ。花園は紡がれます。