戦力アップ成功!? J1夏の補強評価ランキング1~10位。充実したスカッドを作り上げたのは?
毎年サッカー界を賑わす移籍市場は、世界はもちろん日本でも盛り上がりを見せる一大行事だ。多くのファンが一喜一憂するこの期間は、その年のクラブの成績を左右する大事な時期となる。今回は、先日閉幕した夏の移籍市場で的確な補強を成功させたJ1クラブをランキング形式で紹介する。(文:Nobuya Akazawa|J1全部見るマン)
動きが少ないのは納得! なぜなら完成度はすでにJ屈指
10位:アルビレックス新潟 【IN】 • 橋本健人[徳島/新加入] 【OUT】 • 森璃太[福岡/期限付き] アルビレックス新潟には特に大きな動きがなかった。チームとしての完成度が高い分、入れ替わりが少ないのは納得だ。しかしその中で手薄だったポジションがサイドバック(SB)だった。 徳島ヴォルディスから加入した橋本健人はすぐにフィットしてみせた。27節のアビスパ福岡戦で新天地デビューを果たした彼のパフォーマンスは驚くものだった。起点を作り出すのはもちろんのことながら、相手をしっかりと待てるプレス耐性も持ち合わせる。ゆえにボールを受けることにビビらずにプレーすることができるので、周囲の選手にパスコースを創出しながら、時間とスペースを貯金することができる選手だ。出ずっぱりだった堀米悠斗と藤原奏哉の控えに留まらない存在となるかもしれない。 最終ラインでは、稲村隼翔も台頭した。YBCルヴァンカップとリーグ戦を戦い抜くだけのメンバーは揃っている。的確でピンポイントな補強とともに圧倒的な完成度を誇るアルビレックス新潟。ここからさらに上にいくために、選手を休ませながら最大出力を維持してシーズンを戦い抜きたい所だ。
補強たった1人だが!? 現状維持でも十分に戦える
9位:東京ヴェルディ 【IN】 • 松村優太[鹿島/期限付き] 【OUT】 • 古川真人[富山/期限付き] • 河村匠[秋田/期限付き] • 永井颯太[鹿児島/期限付き] • 平智広[金沢] • 河村慶人[秋田/期限付き] • 山越康平[千葉/期限付き] J1に復帰した東京ヴェルディは、印象に強く残るような劇的な試合が多い。一方で7位という成績は偶然ではなく、チームとしての骨格がしっかりしているからこその結果だろう。 若くて有望なタレントを多く揃えているヴェルディが夏に補強したのが松村優太だ。圧倒的なスピードとカットイン、コンパクトな振りから放たれるシュートの重さは、松村の大きな特徴だ。チームとしてボールを持ちながら丁寧なサッカーを展開する中で、チャンスがあれば背後を積極的に選択する。そこで松村の裏抜けの動きは活かされるだろう。明確な特徴を持ち合わせる選手なので、城福浩監督の選択肢が増える良い補強だったのではないだろうか。 とは言え、守備をまずは考えるチームなので、使いどころは難しいかもしれない。さらに、チームとしても現在の流れと内容はとても良いので、このバランスを崩すことは考えにくい。しかし、単独でも陣地挽回や深さを作れる選手なので、手詰まりを感じたときの切り札としても機能するかもしれない。1つでも順位を上げるため、膠着状態を打破するための切り札として、松村の加入は大きな意味を持ちそうだ。