ほっこりする~ 秋空の下「ハス田」の水路で「柿の種・小ブナ」釣り! 「開始10秒」ヒット&数釣り満喫レポ
長年、釣りを趣味にしていると、その季節が旬とされている魚を実際に釣りあげて季節を感じたいと思うことがある。秋に旬を迎える釣り物はいくつかあるが、筆者は水郷で楽しむ小ブナ(ギンブナやキンブナの子ども)釣りが頭に浮かんだ。 ■【写真16枚】いったいどれほどの魚が、この小さな水路にいるというのか?「小魚のゆりかご」ともいわれる「ホソ」秋の小ブナ釣り釣果にビックリ!(写真をすべて見る) 暑さも落ち着き、ようやく秋らしい陽気となった10月中旬に茨城県霞ヶ浦(かすみがうら)のホソ(霞ヶ浦と田んぼを繋ぐ小水路)で小ブナ釣りを楽しんできたので、その模様をレポートする。
■ホソの小ブナ釣りは、霞ヶ浦の秋の風物詩
今回筆者が訪れた霞ヶ浦のホソでは、毎年秋になると多くの釣り人が小ブナ釣りを楽しんでいる。その年の春にホソで生まれたフナの赤ちゃんは、夏の間にエサをたくさん食べてホソの中ですくすくと成長していく。 生まれてからおよそ半年が過ぎた秋になると、体長2~3cm(成魚は20cmほどになる)の「柿の種」と呼ばれるサイズにまで成長し、釣りの対象魚となる。食欲旺盛な彼らは釣りエサに対してもよく反応し、簡単に数釣りが楽しめることから大人気だ。ホソの小ブナ釣りは、霞ヶ浦に秋の訪れを知らせる風物詩となっている。
■秋は水量の多いハス田のホソがおすすめ
日本で有数の水郷地帯である霞ヶ浦周辺は昔から米とレンコン作りが盛んで、これらを栽培するための田んぼ(それぞれイネ田とハス田)とホソがいたる所に存在している。 稲刈りの季節である秋は、田んぼの水がすでに落とされて(排水されて)しまっているため、周辺のホソは水量が少ないことが多い。これに対してハス田はほぼ一年を通して水がはられているため、その脇を流れるホソも水量が多く安定している。 水量が少なく水が淀んでいるようなホソは、フナたちにとってあまり居心地のよい場所とはいえない。もし小ブナ釣りのポイントとして田んぼとハス田のどちらのホソを選ぶのか迷った場合は、水量が多いハス田周辺のホソを探るのがいいだろう。
■10月中旬に釣行。アカムシ餌で小ブナが連発!
今回、筆者が小ブナ釣りに向かった先は霞ヶ浦(西浦)の北部エリア。事前にGoogleマップを使い、ハス田が多く、さらに駐車スペースも確保できそうな場所をいくつか見当をつけておいたのだ。 現地に到着してさっそくホソの様子を覗いてみると、いきなり水中に土煙があがった。魚が人の気配に驚いて慌てて逃げ出したのだろう。水の濁りのため姿は見えなかったが、おそらく20~30cmクラスのコイかフナ。彼らがいるということは小ブナたちもきっといるはずと読んで釣りの準備に取り掛かった。 この日使用した仕掛けは、タナゴ釣り用の連動シモリ仕掛けでエサは生きたアカムシを使用した(タックルや道具の詳細については後述する)。ホソの水深は20cmほど。フナはよく川底にあるエサを探す習性があるので、ウキ下は低層を探れるようにセットして仕掛けを投入した。 するとどうだろう、仕掛けが水になじんでから10秒も経たないうちに勢いよくウキが沈んだではないか。釣れた魚は5cmサイズの本命の小ブナだった。 もし仕掛けを入れた場所に小ブナがいれば、すぐさまそのエサに食らいつくというのが秋の小ブナの特徴である。もしウキに30秒以上変化がないならば、そこには魚がいない可能性が高い。再度同じ場所に仕掛けを入れ直すかあるいは、投入ポイントを20~30cmずらすなどして、短いサイクルでテンポよく広範囲を探っていくのが釣果を伸ばすコツである。 この日はホソにかかる小さな橋の下や水生植物周り、ハス田からの水が落ちる放水パイプ口の下など、何かしら変化のある場所を中心に短時間で何度も場所移動を繰り返しながら探っていった。するとこの作業が功を奏したのか、小ブナが連発して釣れることが何度もあった。 それにしてもこんなに川幅が狭くて浅い水路にいったいどれだけ多くの魚が住んでいるというのだろう。この釣りをしていると、ホソは小魚たちにとっての「ゆりかご」だといわれている理由がとてもよく分かる。 当日の釣果は以下の通りで本命のフナは36匹(実釣時間はおよそ3時間で3か所のホソを探った)。釣りあげた魚たちはすべて元いたホソに返してやった。 ・1か所目のホソ:フナ15匹、コイ4匹、クチボソ10匹前後、モエビ数匹 ・2か所目のホソ:フナ4匹、途中からクチボソしか釣れなくなったため、早々に次のホソへと移動 ・3か所目のホソ:フナ17匹、コイ1匹、クチボソ10匹前後、モエビ数匹 使用したタックルと道具は以下のとおりである。 【筆者の使用タックル】 ロッド:淡水小物竿 長さ2m 仕掛け:市販のタナゴ釣り用のセット仕掛け(連動シモリ仕掛け) 予備のハリ:タナゴ針、袖針1~2号など エサ:生きたアカムシ(ユスリカの幼虫) 【あると便利な道具】 小物用の針外し:魚に触れず針が外せる エサ入れ:アカムシが乾燥するのを防ぐ 水汲みバケツ:釣った魚を生きたまま一時的に入れておくもの エアーポンプ:水汲みバケツに入れた魚に酸素を供給するポンプ 小型の観察水槽:釣った魚を横から観察できる 手洗い用の水:ペットボトルに水道水を入れて用意 タオル:濡れた手を拭くために使用