「モンゴル互助会」を拒否、「貴乃花」も大絶賛…「連続出場記録」だけじゃない39歳「玉鷲」が尊敬を集める理由
モンゴル互助会の誕生
土俵内外での評価は「相撲界の人格者」として名高い。ハワイを筆頭に、相撲界にはこれまで多くの外国人力士が入門してきたが、モンゴル勢の強さは別格だった。朝青龍を第一号に、白鵬(宮城野親方)、日馬富士、鶴竜、照ノ富士と相次いで横綱が誕生。現役だけではなく親方衆も交えた最大派閥の「モンゴル派」が誕生した。 「モンゴル人力士の『派閥』の頂点は宮城野親方(元横綱白鵬)でした」(夕刊紙記者)。「モンゴル派」には、強さだけでなくダーティーなイメージも付きまとった。慣れない異国の地で生活上の悩みをフォローし合うだけならまだしも、モンゴル人力士が星まで回しあっているのではとの疑惑も囁かれ、「モンゴル互助会」と揶揄するような報道も出た。 そのダーティーなイメージが定着したのが2017年、元横綱日馬富士が貴ノ岩を殴打した「鳥取事件」である。モンゴル出身力士のほぼ全員が参加した「飲み会」の席で起きたこのスキャンダルは、こじれにこじれた末、日馬富士が引退し、貴ノ岩の師匠で次期理事長候補の一人だった貴乃花親方も相撲協会の理事を解任され、最終的に退職するという最悪の結果を招いた。
綾瀬はるかのドラマが…
「この会は宮城野親方が“主賓”でした。玉鷲にも声がかかったのですが、大ファンだった綾瀬はるかのテレビドラマが見たいからという理由で断った」(前出記者)。モンゴル派にあえて入らなかった理由は「入ったらどうしても情が入ってしまうから」という明確な理由からだ。 そしてもう一つ、玉鷲は多くの力士の代名詞である「酒豪」ではない。ほとんど酒は口にしない「下戸」でもある。それがここまでの連続出場に繋がった。ちなみに、横綱・照ノ富士は大関昇進後、序二段まで陥落したが、その原因は「体重増による膝の負担の増大と尋常ではない酒量の多さによる糖尿病の発症」(相撲協会関係者)で、「大関時代は栄養ドリンク(※ウコンの力)を大量に飲んで“これさえあれば問題ない”と連日はしご酒の日々があった」(同)。 玉鷲のストイックな姿勢を最も評価していたのが貴乃花親方だった。現役時代にエルボーなどプロレスのような技を展開していた宮城野親方の取口は酷評していたが、玉鷲については「立ち合いの変化がない。両足の指で土俵をしっかり掴んでいる。しっかり稽古しているからだと思う」と評価していたのだ。