【カスタム車紹介】ACサンクチュアリー Z1000Mk.II(カワサキ Z1000Mk.II)空冷4発でこその味わいとらしさを高い完成度で楽しむ
車両作りだけに終わらずその後のフォローも重視する
「典型的な17インチ適合RCMシャシーに、1045cc仕様でライフ重視のパッケージで組んだエンジン。今のRCM(Radical Cons-truction Manufacture。ACサンクチュアリーが製作するコンプリートカスタム)の手法をきちんと織り込んだ車両です」 【写真はこちら】ACサンクチュアリーがカスタムした「Z1000Mk.II」の全体・各部 こうサンクチュアリー・中村さんが概要を説明してくれるMk.II。コンプリート製作という時点で既に多くのカスタムらしさが作リ込まれているが、オーナーのベース色指定によるブラックからレッドへのグラデーションカラー、これに応じるようにブラック主体として落ち着いたパーツカラーのセレクト。さらに今ではワンオフ製作対応となったナイトロレーシング・チタンメガホンをあえて使う点も相まって、この車両ならではのスマートな個性も表現されている。 エンジンは冒頭のようにライフパッケージだが、ピストンに同店内燃機部門・DiNx(ディンクス)製鍛造品を使い、シリンダーボーリング&ホーニングに面研、バルブガイド入れ替えにシートカット加工などの内燃機作業もDiNxで行われている。近作のRCMでは標準的メニューになったとも言うこの内容、単にライフというだけでなく、スムーズさなどフィーリングも向上させているという。 「ピストンも加工も精密で、こうした結果が出てきます。それと同時に、数字を決めて加工を発注する(加工から戻ればそれを組んでいく)当店メカニックの練度も上がる。細かいことを見ていくと地味ですけど、その積み重ねでより車両の完成度が高められる。Z系が元々持っている空冷4発の味わいはそのまま、パワー感も上がり信頼性も高まる。つまり、安心感も増します」 その安心感という意味では、完成後のフォローにも注目したい。遠方からのオーダーだったこの車両、納車後にわずかにエンジンにオイルにじみが出た。工業製品なら起こり得るというレベルのシールナットの不良だったが、車両輸送費は同店で負担して修理、解決した上で再納車された。車両を作るだけでなく、こうした初期不良への対処も行うことで、不安を軽減する。これもコンプリート車に関わる環境の大事な進化だと言っていいだろう。
ヘリテイジ&レジェンズ編集部