“キャリア40年”でも「若手」!? 伝承者を目指す若者が減少傾向に…伝統芸能「人形浄瑠璃文楽」の魅力を解説
青木源太と足立梨花がパーソナリティをつとめ、暮らしに役立つ情報や気になるトピックを深掘りしていくTOKYO FMのラジオ番組「青木源太・足立梨花 Sunday Collection」(毎週日曜 7:30~7:55)。2023年12月31日(日)の放送では、人形浄瑠璃文楽座 太夫の豊竹呂勢太夫(とよたけ・ろせたゆう)さんを迎えて、「あの舞台で輝こう! 文楽伝承者への道」をテーマに話を伺いました。
◆人形浄瑠璃文楽の魅力とは?
人形浄瑠璃文楽は、歌舞伎と同じく日本の伝統芸能の1つで、ユネスコの無形文化遺産に登録されていますが、歌舞伎ほどメジャーではないイメージがあります。そこで今回は、人形浄瑠璃文楽座の太夫で、養成事業の文楽研修講師もされている呂勢太夫さんに、人形浄瑠璃文楽の基本や魅力について解説していただきました。 2024年で入門から40年を迎える呂勢太夫さんは。世間ではベテランの域でありながら「私たちの業界では(芸歴40年でも)若手なんですよ」と言い、冒頭から2人を驚かせます。呂勢太夫さんいわく、大活躍している人形浄瑠璃文楽のスターは70代や80代で、「修業にとても時間がかかるので、花開く頃には、そういう年齢になるんです」と語ります。 そもそも文楽とは、語り手の太夫(たゆう)と、三味線弾き(しゃみせんひき)、人形遣い(にんぎょうつかい)の三者が一体となって表現する舞台芸術のことで、「文楽で演奏している浄瑠璃というのは、1684年に竹本義太夫(たけもと・ぎだゆう)という方が、大坂(現:大阪府)で竹本座という一座をつくって旗揚げしたんですけど、そのときに義太夫さんが始めた浄瑠璃の一派が『義太夫節』なんです。文楽は、大坂で始まったということと竹本義太夫さんの始めた浄瑠璃を使っている。これが1つの特徴です」と説明します。 語り手である太夫は、三味線弾きの演奏とともに物語の情景を描写し、人物の言葉を1人で語り分けます。その物語を視覚的に表現するのが人形で、顔と右手を担当する「主遣い」、左手を担当する「左遣い」、足を担当する「足遣い」の3人の遣い手によって1体の人形を操っています。なお、太夫、三味線弾き、人形遣いは、それぞれが専業でシャッフルすることはありません。