レッドソックス4連敗で上原のストレスは“マックス”
昨年のワールドシリーズ覇者・レッドソックスと中地区首位を走るタイガースの対戦は、昨年のリーグ優勝決定戦以来の顔合わせということもあり、この日の第3戦はスポーツネット局「ESPN」が全米中継して注目を集めたが、蓋を開ければ、昨年の王者が2-6。レ軍が3タテを食らい、タイガースの強さを改めて印象づける結果となった。 「相手の上位打線は手強い。失投のツケを支払わせられた。相手は守備が固いし、ブルペンの層も厚い。先発陣は強靭で、上位打線はとてもバットが振れている」とレッドソックスのファレル監督。15日のツインズ戦第3戦から続く連敗は今季初の「4」に。昨年は1度も4連敗することなくワールドシリーズを制覇した指揮官にとっては、就任2年目での初めての事態となった。 核弾頭・エルズベリーがヤンキースに移籍した今年のレ軍は、出塁率こそリーグ3位ながら、決定打に乏しく好機を生かせない敗戦が多い。リーグ唯一、5投手でローテーションを回している先発陣のクオリティースタート(6回3失点以下)の回数は、アスレチックスに次いでリーグ2位。ブルペン陣が前の投手が残した走者を本塁に返す率17.9%と、オリオールズ(16.2%)に次いでリーグで2番目に低く、投手陣は安定しているが、若手中心で構成される下位打線の不振が深刻で、点が取れないことが最大の敗因だ。 お陰でチームが誇る『上原&田澤』の勝利の方程式も、最近は有効に機能していない。0-1で敗れた16日の第1戦は、田澤が9回に登板して見事な三者凡退に抑えたが、その裏の打線の奮起はなく、上原は翌17日の第2戦で1-6と敗戦ムードが濃厚な中での登板だった。9セーブ目を挙げた11日のレンジャース戦以来、登板機会が空いたための、いわゆる“虫干し登板”だった。登板機会がなかった前カードのツインズ戦では、同点に追いついた場合や延長に入った場合を想定してブルペンで投球練習を行っていたが、守護神投入には至らなかった。この日の第3戦でハンターに左本塁打を浴びた田澤は2-5とリードされた展開での登板で、5月6日のレッズ戦以来「ホールド」が付く状況での登板がない。つまり、本来の姿である“勝ちパターン”での日本人コンビ投入は、随分と遠ざかっている。