なぜ日本代表の親善試合マッチメークは苦戦するのか?
森保一新監督(50)に率いられる新生日本代表のマッチメークが、かつてないほど苦戦を強いられている。試合会場が決まりながら対戦相手が長く交渉中となっていた、11月のキリンチャレンジカップ2018の詳細がようやく決まったのは先月下旬だった。 森保ジャパンは11月16日に大分スポーツ公園総合競技場でベネズエラ代表(FIFAランク32位)と、同20日に豊田スタジアムでキルギス代表(同91位)と対戦することが決定。もっとも、発足以降の対戦相手の顔ぶれを見ると、ある「変化」が生じていることがわかる。 初陣となった9月11日のコスタリカ代表(同37位)戦で3‐0と快勝した森保ジャパンは、今月12日にパナマ代表(同70位)とデンカビッグスワンスタジアムで、16日にはウルグアイ代表(同5位)と埼玉スタジアムでそれぞれ対戦する。 北海道胆振東部地震の発生を受けて中止となった9月7日のチリ代表(同12位)戦を含めて、対戦国の所属大陸連盟は南米がチリ、ウルグアイ、ベネズエラの3、北中米カリブ海がコスタリカとパナマの2、そしてアジアがキルギスの1となっている。 つまり、6ヵ国のなかにヨーロッパ勢がひとつも含まれていないことがわかる。その理由は欧州サッカー連盟(UEFA)が独自に創設した国際大会、UEFAネーションズリーグが9月からスタートしていることと密接にリンクしている。 ネーションズリーグに参加するのはUEFAに加盟する全55チーム。第1回大会はワールドカップ・ロシア大会の出場をかけたヨーロッパ予選を終えた、2017年10月時点におけるUEFA代表チームランキングを基に、55チームをAからDまで4つのディビジョンにまず分けた。 AとBが12チーム、Cが15チーム、Dが16チームで構成される。さらに、それぞれのディビジョンを4つのグループに分けて、ホーム&アウェイ方式のリーグ戦を実施。最高峰のディビジョンAでは各グループの1位がトーナメント形式のファイナルフォーへ進んで優勝国を決める。 ネーションズリーグは偶数年から翌年にかけて開催され、9月、10月、11月の国際Aマッチウイークでグループリーグが、翌年6月の国際AマッチウイークではディビジョンAのファイナルフォーがそれぞれ開催されるスケジュールになっている。 国際サッカー連盟(FIFA)が定める年間の国際Aマッチウイークは、3月、6月、9月、10月、11月の5度。それぞれで2試合ずつ、合計で10試合しかマッチメークできないなかで、ヨーロッパ勢はネーションズリーグと来年3月からスタートするユーロ2020予選を立て続けに戦っていく。