【インタビュー】長谷川唯、マンチェスター・シティ3年目の挑戦「最高の環境がある。日本は自分がいる国と思ってもらえるように」
■「長谷川唯がいる国」と思ってもらるように
―――新シーズンはWSLの12クラブ中、8クラブに日本人が在籍することになります。やはり高く評価されている証でしょうか? 長谷川 自分が海外移籍をしたときは、日本からイングランドへ直接移籍することが難しかったタイミングでした。自分がミランに移籍するタイミングで、日本代表や海外での実績があったブチさん(岩渕真奈)がアストン・ヴィラに入って、そこから日本人の評価がどんどん上がったと思います。自分自身もイングランドのクラブが日本人に興味を持ってもらえるようなプレーを、この3年間で少しでもできていたらと思っています。もちろんワールドカップでの活躍で評価が上がったことは間違いないですけど、イングランド自体が日本人を評価するときに、「長谷川唯がいる国」と思ってもらえるようなプレーをしたいです。 ―――評価の点で言えば、選手投票のPFAで優秀選手の6人に選ばれました。 長谷川 選手から評価による投票であることが一番うれしいです。それまで自分もどういった賞かはわかっていなかったんですけど(笑)、まさかここまで評価してもらえているとは思っていなかったです。この6人に残っていることはすごく自信になります。 ―――前述の岩渕さんの流れで言えば、岩渕さんと仲の良かった選手であるオランダ代表FWフィフィアネ・ミデマーがアーセナルから新しく加入します。 長谷川 昔からブチさん関係で話を聞いたり、プレーを見ていましたし、対戦経験もありますが、頭のいい選手だと感じます。9番のポジションもインサイドハーフもできるので、近くでプレーすることが楽しみです。早く一緒に練習したいですね。 ―――新シーズンに向け、まずは惜しくも逃したリーグタイトルへの意気込みが強いと思います。 長谷川 チーム全員で「リーグを取る」目標で昨シーズンはスタートし、ギリギリのところで届かなかったので、さらに強い気持ちを持ってチームとして戦うと思いますし、もちろんチャンピオンズリーグという舞台も自分は楽しみにしていますけど、まずはリーグという気持ちです。シティに加入してからほとんどケガをせず、コンスタントに試合に出て、パフォーマンスも安定していると思うので、新シーズンもまずは自分の安定したパフォーマンスを常に見せられるように準備して、その結果、リーグやチャンピオンズリーグでの優勝が見えてくればと思います。 ―――チャンピオンズリーグではバルセロナ、リヨン、ドイツ勢が近年は優勝しています。ヨーロッパの中でのイングランドの立ち位置はどうご覧になっていますか? 長谷川 どこのリーグも優勝するクラブは強いという感覚ですが、リーグ全体として見たときに一番優勝に苦労するのはイングランドかなと。チャンピオンズリーグで優勝できたら、どこからも認めてもらえる一番強いリーグになると思うので、それをイングランド勢としてしっかり目指していきたいです。このチームのサッカーで上に行きたい気持ちが強いですし、チャンピオンズリーグに出ることでシティのサッカーをいろいろな人に見てもらえると思うので、頑張ります。 ―――加入初年度はすでに敗退したタイミングでの移籍でしたし、昨シーズンは出場権を得られず。今シーズンもレギュレーション上、本戦にダイレクトで入れるのがバルセロナ、リヨン、バイエルン、チェルシーだけなので、まずは予選を勝ち抜けないといけません。意気込みとしてはいかがですか? 長谷川 チャンピオンズリーグに出たいとは昔から思っていましたし、特別な舞台になることは間違いないですが、気負わずに、まずは自分自身初めての予選から、いつも通りのプレーをしたいです。練習や昨シーズンまでの試合でやってきたことを出せれば、このチームだったら勝てる自信があるので、まずは本戦出場を目指して、一つひとつ目の前の試合に向けて準備していきます。
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