大画面テレビに生成AI、パーソナライズ化も視野 TVS REGZAが技術コンセプト披露
【ラスベガス(米ネバダ州)=CES取材班】TVS REGZAは5日(現地時間)、生成AI(人工知能)を大画面テレビに搭載する技術コンセプトを発表した。生成AIを活用し、あいまいな言葉からでも音声検索で視聴したい動画コンテンツにたどり着けるようにする狙いだ。ミリ波レーダーを使った高精度なセンシング技術を組み合わせ、個人によって表示コンテンツを変えるパーソナライズ化の実現も視野に、生成AIの活用を推進していく方針だ。 【関連写真】目のような形をしたアバターが人を捉えるとその方向を向く 「レグザの新しいコンセプト『レグザインテリジェンス』を立ち上げる」。大画面テレビ「レグザ」への実装を目指す次世代技術について、石橋泰博副社長はこう力を込めた。 レグザインテリジェンスは、同社が次世代テレビに搭載しようとするAIを軸とした技術の方向性を示すものだ。CESでは、あいまいな音声検索から視聴コンテンツを具体化してくれる「生成AIボイスナビゲーター」を披露。テレビに生成AIを搭載するのは業界初という。 この技術を使えば、アプリ起動やリモコン操作などで手間がかかりがちだったコンテンツ検索も、テレビに搭載する生成AIと対話する形で検索できるようになる。「30分のお勧めコンテンツはあるか」といったあいまいな表現でも視聴したい作品に簡単にたどり着けるようにするのが狙いだ。米オープンAIやグーグルなどさまざまな生成AIと連携できるようにしており、今後最適な生成AIを選択する予定。視聴者の位置などをセンシングできるミリ波レーダーを活用し、プライバシーに配慮した形でパーソナライズする機能の実装も目指す。 レグザインテリジェンスとして「AIオーディオリミックス」も発表。例えば、スポーツシーンでは解説者の声やプレー音、歓声といった音声が混在しているが、それらを視聴者の好みに合わせて強調したり抑えたりすることができる。サッカーの試合でボイスモードを選ぶと解説者の声が強調され、歓声などの環境音は1割程度に抑えるなどの調整が可能だ。 シーン合わせてAIが最適な画質に調整する技術では、音楽ライブの高画質化に新たに対応。アーティストや衣装がより際立つようAIが最適化を図る。 レグザインテリジェンスを搭載する新製品の発売時期は未定。石橋副社長は「今回は第一歩。レグザインテリジェンスの開発を進め、新たな機能を追加し、快適な映像体験を提供していく」と方向を示した。
電波新聞社 報道本部