エヌビディア、小型のAIスパコン「Project DIGITS」発表 CESを席巻
CESでは数多くのAIソフトウェア発表が続いているが、その中でエヌビディアの創業者でCEO、トレードマークの黒革ジャケットでも知られるジェンスン・フアンは、開発者向けとなる世界最小のAIスーパーコンピューターを発表した。 もっとも多くのアナリストはこの動きを予測していた。Grace CPUとBlackwell GPUを同一パッケージに組み合わせる(GB)ことで、インテル、AMD、Qualcomm(クアルコム)といった競合企業に挑む展開が見込まれる。ただし、現時点では汎用的なAI PCではない(開示:エヌビディアは筆者の所属するCambrian-ai Researchのクライアントだ)。 ■開発者専用の新AI PC 「NVIDIA Project DIGITS」は小さなボックス型の製品でで、エヌビディアおよび同社のトップパートナーから3000ドル(約47万4000円)で購入できる。モニター、キーボード、マウスを追加するか、パートナーからまとめて購入すれば、市場で最も高速かつ包括的なAI開発ワークステーションとなる。FP4演算で1ペタフロップスの性能を実現し、NeMoからOmniverseまで、エヌビディアのAIソフトウェアを幅広くサポートする。 各Project DIGITS(この「Project」という名称はPCパートナーとの摩擦を避ける意図があるのかもしれない)には、128GBの統合コヒーレントメモリと最大4TBのNVMeストレージが搭載されている。標準的な家庭用電源で動作し、最大2000億パラメータのAIモデルを実行可能だ。さらに、NvidiaのConnectXネットワークを使い2台のProject DIGITSを連携させれば、最大4050億パラメータのモデルを扱える。サーバーなしでもここまでできるのだ。 DIGITSを使うことで、研究者はLinuxベースのNvidia DGX OSを実行するローカルワークステーション上でモデルを試作し、微調整やテストを行ったうえで、NvidiaのDGX Cloudや高速クラウドインスタンス、データセンターにデプロイすることができる。Nvidia DIGITSは大きな変革の始まりとなる可能性がある。