「勉強を頑張る」のは「我慢する」ことなのか? 元ビリギャル・小林さやかさんが語る、最強の勉強法
大人もみんな挑戦しよう
――親自身の不安を子どもにぶつけているだけなのかもしれません。親の声かけの仕方は重要ですね。 日本は結果がすべてというところがありますよね。でも親が結果で判断する考え方でいると、子どもにとってはめちゃくちゃ努力したのに望んだ結果が得られなかったとき、トラウマになってしまいます。 以前話した高校生の女の子が、「私は中学受験で失敗しているから受験が怖いんです」と言って泣き出したんです。中学受験で第1志望に落ちたとき、お母さんに「あんたのことを信じた私がばかだった」と言われたんですって。こういう話って本当に多くて、商業高校に通う男の子がこんなコメントをくれたこともありました。「僕もビリギャルの映画を見て、早稲田に行きたいと思いました。でも親と先生に言ったら、リスクが高すぎるからやめろと言われました。さやかさんもそう思いますか?」と。 「リスク」って何でしょう。不合格のことだと思うんですけど、「どうせ無理だから」とあきらめたときの彼と、めちゃくちゃ頑張ったけど不合格だったときの彼と、どちらが成長できているでしょうか。結果しか見なければ、挑戦は怖いと思うでしょうが、早稲田に受からなくてもほかの大学には受かるかもしれないし、知識力や忍耐力はきっとすごく上がります。さらにその先の選択肢も増えるはずだから、挑戦しないほうがリスクなんです。親御さんに強く言いたいのは、「失敗させてもらえない環境では、絶対に成功もできない」ってことです。 ――子どもを信じることが一番大事。親が心配ばかりして、失敗しない人生を送らせてあげようとするのが一番よくないということですね。今後の目標はありますか。 私は日本人の「失敗を恐れて踏み出せない」という、残念すぎるマインドセットを壊したいと思っています。これが自分のミッションだと思っているので、私自身も恐れずに、挑戦する背中を見せていきたいです。小さなことでもいいから、親御さんにも自分の興味があることに挑戦して、楽しんでほしい。大人たちがロールモデルになれば、子どもたちは教えなくても勝手についてくると思います。