NTT法見直し、KDDI・ソフトバンクなど183者が連名意見書を提出 「現行枠組みの維持・強化」訴え
KDDIやソフトバンクなどは1月7日、NTT法の見直しを巡り、総務省が2024年12月から実施していた意見募集を受け、連名意見書を提出した。意見書は、電気通信事業者や地方自治体など183者によるもの。総務省が出したNTT法の見直し案に対して、「現行の枠組みを維持・強化していくことが重要」としている。 【画像でチェック】連名意見書を提出した183者【全9枚】 KDDIらは、総務省の案で、NTTが保有する「特別な資産」(電電公社時代に税金によって設置した電気通信設備)や、NTTの果たすべき公共的役割の重要性が確認できたと説明。案にある「特別な資産」の保護に賛同するとし、現行のNTT法の枠組みを維持することが重要との考えを示した。 他に、災害や地域社会の課題などに対応するため「事業者間の公正な競争環境がこれまで以上に必要な状況」とも指摘。時代の変化に応じ、適切にNTT法の見直しや強化などを実施するよう訴えた。 NTTの事業を規制するNTT法の改正は、政府が防衛費を確保するため、保有するNTT株を売却する案に端を発する。23年の秋ごろから「特別な資産」を継承するNTTへの規制を緩和するべき否かを、NTTと競合の通信3社(KDDI・ソフトバンク・楽天)で議論していた。 その後、24年4月に改正法が成立。NTTの研究成果の開示義務廃止や、外国人の役員登用が可能になるといった変更があった。これに対し、競合の通信3社は、NTT法の廃止を含めた見直しが検討事項として盛り込まれているとして「強い懸念」を示していた。 その後10月末に行われた衆議院選挙で、NTT法の廃止を主導していた自由民主党の甘利明氏らが落選。廃止の議論は下火となったが、総務省の特別委員会は、NTT法の見直しに関する議論を継続していた。12月4日には見直し案を取りまとめて発表。25年1月8日まで案に対する意見を募集している。
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