廣岡達朗コラム「負け続ける西武が腹立たしい 佐々木朗希は次の登板まで何日休むのか」
負のスパイラルはどんどん広がる
交流戦が終わってレギュラーシーズンが再開した。監督、コーチは野球を知っているのだろうか。 【選手データ】渡辺久信 プロフィール・通算成績 西武は渡辺久信GM兼監督代行になっても負けが続いている。では、次の監督候補として誰を教育しているかというと、そうは見えない。 私はかつて西武で監督を務めただけに、今の体たらくが腹立たしい。 昔の西武は親会社がしっかりしていた。たとえば、お辞儀一つにしても、両手の指の先までピンと伸ばして45度の角度で頭を下げるように、という社員教育が行き届いていた。髪の毛を長く伸ばすことなど許されなかった。 こういう姿勢に改善していかなければ、今後も西武は負け続ける。負けが込むと選手は俺たちの責任ではないと言い逃れを始める。負のスパイラルはどんどん広がっていく。 私は西武監督時代にマスコミの取材に答えて「チームで一番の高給取りが働かずに勝てるか」と、暗に田淵幸一を批判した。それを読んだ東尾修は田淵に「こんなことを言われているぞ」と焚きつけた。田淵は純粋な男で、人を恨むということをしない。「よーし、見返してやる」と、阪神時代に培ったプライドをかなぐり捨てて一生懸命にやってくれた。 東尾は東尾で、中4~5日で先発を命じると、登板の合間にゴルフをして遊んでいた。ということは、エネルギーが余っている証拠だ。1週間に一回しか放れないという投手はユニフォームを脱げ。 もう一つ、これは西武に限ったことではないが、今の球界には太った選手が多い。両国で相撲取りになったほうがいいと思える選手もいる。全体的に、ベストウエートから10kgは重い。現役時代に身長180cmだった私は72kgの体重を引退するまで維持した。監督時代には各選手のベストウエートを算出して、それを超えた場合には罰金を課した。 広島のコーチ時代に球団が極秘に入手したインディアンスの戦略本「必勝法」には、「常にベストコンディションであれ」と書かれていた。その「必勝法」を西武で流用して、私はベストコンディションとは何かを説いて聞かせた。 首脳陣がそうやって指導すれば、ナインはみんな背筋がピンと伸びるはずだ。渡辺監督代行には西武伝統の野球をやれと言いたい。