廣岡達朗コラム「負け続ける西武が腹立たしい 佐々木朗希は次の登板まで何日休むのか」
逆の意味での不平等
ところで、ロッテの佐々木朗希は中6日どころか、1度投げたら次の登板まで何日休むのか。それでメジャーを志そうなどというのは虫が良過ぎる。メジャーはそんなに甘くない。 ローテーションとは、民主主義の産物である。多民族国家のアメリカでは平等に投げさせなければアングロサクソン系以外の選手から差別だと不平不満が出る。だから先発の機会を均等に与えたのだ。 佐々木朗の起用法を見ていると逆の意味で不平等である。ほかのローテーション投手が見て、何とも思わないのだろうか。
お金の値打ちを知るべきだ
最後の話題としてヤクルトはサンタナ、オスナの両外国人と新たに3年契約を結んだ。サンタナは3年総額900万ドル(約14億3000万円)プラス出来高、オスナは3年総額825万ドル(13億1000万円)。サンタナ、オスナともに開幕から好成績を残してきたのは、今年で契約が切れるからだ。外国人というのは契約最終年になると目の色を変えてプレーする。 シーズン途中に、こんな破格の金額で再契約を結ぶのはバカげている。彼らのバックについている代理人がそのうちの何パーセントかを得ていることを知らなければいけない。要はナメられているのだ。 契約したことで安心した両外国人の成績が下がってチームが優勝できなければ、大金をドブに捨てるようなもの。日本は昔から契約に関してどんぶり勘定だった。もう少しお金の値打ちを知るべきだ。 ●廣岡達朗(ひろおか・たつろう) 1932年2月9日生まれ。広島県出身。呉三津田高、早大を経て54年に巨人入団。大型遊撃手として新人王に輝くなど活躍。66年に引退。広島、ヤクルトのコーチを経て76年シーズン途中にヤクルト監督に就任。78年、球団初のリーグ制覇、日本一に導く。82年の西武監督就任1年目から2年連続日本一。4年間で3度優勝という偉業を残し85年限りで退団。92年野球殿堂入り。 『週刊ベースボール』2024年7月8日号(6月26日発売)より 写真=BBM
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