「金額が高すぎる」「ケチらずに投資すべき」熊本市電の延伸『仮称・東町線』で市民説明会 初めて用地買収区域示す
市電延伸で1日約2000台削減の効果
熊本市は延伸によって、どんな効果を見込んでいるのだろうか。 市電延伸室は「延伸の効果としては1日約2300人の市電利用者が増える見込み。年間約84万人の利用者の増加を見込んでいる。これに伴い自動車利用が1日約2000台削減が見込まれている」と述べる。 熊本市は、延伸によって利用者が増え、車の利用が1日2000台減少すると予測。全市的な渋滞の低減につながるとしている。 また、この説明会で用地買収が必要となる見通しについて、市電延伸室は「今回、都市計画変更を行うのはこちらの約600メートルの区間になる」と、初めて区域を示した。 都市計画区域へ追加することになった土地は、延伸ルートの中の熊本高森線から自衛隊中通りへのカーブ付近。用地の調査などの交渉は、今後個別に行うということで、説明会終了後、会場に張られた地図を見て参加者が直接職員に尋ねる姿が見られた。
市電延伸の狙いは?健軍地域だけの効果?
10月13日に中央区で開かれた同じ説明会では、市民からの「健軍から東への延長、さらに熊本市民病院まで延伸の狙いはそもそも何か」との質問に、太江田室長は「平成27(2015)年から延伸の計画をしている。そのときからこのルートは候補の中にあったが平成28(2016)年熊本地震、その後、市民病院の移転が決まり、この事業性が高まったということはあるが、このルート自体はもともと市民病院のためではない。基幹軸の強化を図ることが大事で、〈誰を対象に〉と言われると市内全域となる」と答えた。 また、別の市民は「市電は道路の中に設置するので(車は)今まで右折できた所ができなくなる。新たに軌道と信号を追加されるのでものすごく渋滞するのではないか」と尋ね、太江田室長は「熊本高森線は、今の車線数は確保して計画をしている。自衛隊中通りについては今後設計する中で、地域とも意見交換しながら検討を深めていきたいと思っている。これについては今からだ」と答えた。 10月15日まで4回開かれた説明会、参加者は計165人だった。太江田室長は「意見交換しながら反映できるところは反映させていただく。できないところも、しっかり市の考えを説明して理解を求めていくことかなと思っている」と述べた。 動き出す市電延伸。熊本市は現在、基本設計の修正を行っていて、2024年度中には実施設計、用地測量に入る見通しだ。 地権者との用地交渉は2026年度からの予定としている。 (テレビ熊本)
テレビ熊本