「コストプッシュインフレ」はむしろ好機かもしれない論拠
世界的にエネルギー価格が上昇する中、日本でも原材料コストが上昇し、物価高が進む「コストプッシュ型」のインフレが進行している(写真:ブルームバーグ)
コロナ禍における供給制約と景気回復の同時進行により、原材料高ともに世界的に急速なインフレが発生している。 特に10月のアメリカの消費者物価指数(CPI)は前年比6.2%、前月比でも0.9%のプラスと予想を上回り、市場関係者に衝撃を与えたことは記憶に新しい。このペースの物価の上昇はわれわれ日本人にはイメージが湧きにくいが、例えるならば毎月消費税が0.5%を超えて上昇を続けることと同じであり、そう考えるとたしかに恐ろしい。 過去に数%の消費税の引き上げで消費が一気に停滞した経験を有する日本では、このスピードの物価上昇は即消費の減退につながるのは必至だろう。 そして、日本でも全品目ベースのCPIが9月にプラスに転じ始めており、この物価上昇の流れと無縁ではいられなくなってきた。しかも、このインフレの性質の悪い点は、食料品とエネルギーを除いた「コア・コアCPI」は依然としてマイナスが続く中で、全品目ベースのCPIがプラスとなったことだ。
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大川 智宏