若いエキストラに「どこかで誰かが絶対見てるよ」 西田敏行さんの“共演者をとりこにする”素顔を盟友らが証言
「かわいい顔と、シリアスな顔のギャップ」
同じ年、西田さんはNHKの大河ドラマ「おんな太閤記」で準主役の豊臣秀吉役を務めている。主演は秀吉の妻、ねね役の佐久間良子である。このドラマで西田さんと共演したせんだみつおは、 「西田さんがすごいなと思ったのは、普段の明るくかわいい顔と、シリアスな顔のギャップ。その二つを両立させられるところでした。楽屋では常に冗談を飛ばして佐久間さんを笑わせる一方で、本番になったら武将の顔にビシッと変わるのです」 主役の佐久間もそんな西田さんの魅力のとりこになっていた。 「佐久間さんは現場に入ると、“西やん何時入り?”と楽しみにしていて、“今日は西やんとのからみがあるからうれしいわ”と飛んで跳ねてましたからね。佐久間さんの心をカメラの裏でつかんでしまったんです」(同) また、撮影現場ではスタッフに「ありがとう」とお礼を言って回り、07年に「浅草ふくまる旅館」で共演した際には、若いエキストラの役者にまで「どこかで誰かが絶対見てるよ。頑張って」とエールを送っていたという。 「亡くなってから西田さんの魅力を改めて考えていたんですが、歌は出す、司会はやる、『植村直己物語』では僻地に行く、ヤクザ役もコメディーもできる……。同世代には有名な役者さんが何人もいますが、そんな人はまずいない。あの世代の最高峰だと思います」(同) 後編【「この番組が終わる時は戦争が起こる時だ」 西田敏行さんが語っていた「ナイトスクープ」に対する思い】では、共演者が語った西田さんの俳優としての「プロの姿」、そして長年局長を務めた「探偵! ナイトスクープ」への熱い思いについて報じる。 「週刊新潮」2024年10月31日号 掲載
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