「あの人だけは裏切らない」は、相手の気持ちや都合を無視した甘い期待。SNSで話題のネコ坊主さんが説く、「裏切り」の捉え方
「心を楽にする言葉」と地域ネコの保護活動の写真を組み合わせたSNSの投稿が人気の僧侶、通称ネコ坊主さん。「おひとりさまの天才」であるネコさんたちと、そんな彼らを常にみているネコ坊主さんによる名言集『ネコさんの「心にしみる」おひとりさま名言』が刊行に。今回はそこから、一部抜粋・再編集してご紹介します。おひとりさまをご機嫌で生きるヒントが見つかるかもしれません―― 【写真】寝そべるネコさん * * * * * * * ◆ネコは人間を恐れない 昔、なんかの本で読んだことがあったんです。“ネコは人間を怖れはしても、特別な生き物だとは思っていない。自分よりおっきいネコだと思ってる”みたいなことが書いてあったでしょうか。 弥太郎と暮らしてみて、あれは当たってるんやないかと考えるに至りました。私のことを「ご主人さま」なんて尊敬の眼差しで見ているような気がしません。 そればかりか、お風呂上がりの濡れた頭をぺろぺろ舐(な)めたりするんですよ。“アカン、オマエちゃんと拭かな。しゃあない、舐めたろ”って。 ネコ舌はザラザラやし、お坊さんやから髪が短い私は、めっちゃ痛い(笑)。でも、逃げようとすると、“アカン! まだや”とガッと爪立ててロックオンされる。 これ、どうも兄弟ネコにする行為らしいんですよね。自分と同等か、ヘタしたら下。私のことは、出来の悪い弟ぐらいな認識なんでしょう。
◆比較の物差しは意味がない 人間は、そうもいきません。相手の顔見て、体格見て、持ち物や服装見て、肩書にビビッて、「あの人にはかなわん」「どうせ私なんて」と落ち込んでしまう。 でも、その比較の物差しは、人によって見事にバラバラ。意味がないのです。 そんなあやふやなもんに縛られて勝手に苦しんで、オヤツでももらえるんか? でっかいネコなのに、考えることはちっさいわ――って弥太郎に笑われそうです。
◆ネコの都合 地域ネコさんの見守り活動をしていると、いろいろなことがあります。 いつもは決して距離を縮めようとしないネコさんが、今日は近づいても逃げない。そおっと頭を撫(な)でると、ゴロゴロとノドを鳴らしてくれる。 「こちらの顔を覚えてくれたんかな」と嬉しくなった瞬間、いきなりガブッと噛まれて逃げられてしまう――ショックです。何が何やらわからへん心境になります。 でも、ネコさんにとってはガブリと噛みつく理由がきっとあるんでしょうね。撫で方が雑とか、手にしみついた線香のニオイが気にくわんとか。 「こちらの顔を覚えてくれたんかな」なんて、それこそ、こちらの勝手な願望ですから。
【関連記事】
- ネコは孤独を愛する生き物?SNSで話題のネコ坊主さんがみた、寂しがり屋で甘えん坊な姿とは
- 48歳で出家したシングルマザーは、臨済宗の尼僧になるためどんな修行を積んだのか?徹底した年功序列の世界で朝3時半より読経、厳冬も常に下駄で全力疾走
- パソコンを広げると猫が邪魔を!「ネコハラ」急増の理由とは… 獣医師「子どもっぽいまま大人になった猫が増えた。特にオス猫に甘えん坊が」
- シングルマザーの庵主さんが教える、大切な人との「永遠の別れ」の受け入れ方。理不尽に見舞われたときに、思い出してほしいこと
- 島まるごと天然記念物!?本州から1000キロ以上離れたところにある「南硫黄島」。東京都なのに<日本国内で最も原生な自然>が保たれている理由【2024年上半期BEST】