エントリーシートを埋められない学生たち。『仕事に行きたくなーい』『上司が~(愚痴愚痴愚痴)』幼児期から見ている親の言動【キャリアコンサルタント】
①「母と一緒に縄跳びの練習をした」と、書く学生のお話
最近の企業の一部は学生に子ども時代からの「自分史」を書かせて、それにそって面接をすることがあります。私がその下書きのお手伝いをしました。 自分史には、小学生からバレエを始める、水泳を始める、〇歳のときに短期留学などなど印象的なエピソードを記載しますが、その学生は小学生時代の項目で 「母と縄跳びの練習をする」 と、書いています。うん? と、思って深掘りすると 「クラスでただ一人、縄跳びの課題(二重とび)ができなくて凹んでいたら、母が『今から一緒に公園へ行って練習をしよう』と、言ってくれたんです。 両親は共働きなのですごく忙しく、そのときも疲れていたはずなのに。 とても驚いたけど嬉しくて。一緒に練習して、できるようになり『何事も努力すれば成し遂げられる』と、思うようになりました」 と、話してくれました。
②「お菓子作り」と書きながら「甘いモノは好きじゃない」という学生のお話
また別の学生は自分史の「小学校でよくやっていたこと」という項目で「お菓子作り」と、書いてありました。 私「甘いモノが好きなんだね」 学生「好きじゃないです」 私「じゃあ、料理が好きなんだね」 学生「好きじゃないです」 これも、うん? と、思って深掘りしたら 「お菓子作りは母が好きだったんです。母と一緒にお菓子を作っていると、母を独り占めできてゆっくりおしゃべりできるから、やっていたんです」 と、話してくれました。
③細かくぎっちり書き込んだ父のノートに感銘をうけた学生の話
ある学生は、お父さんがコロナ禍で在宅勤務になり仕事をする父の姿を初めてみたそうです。 お客様の電話相談に親身になる姿に驚きつつ、ある日「いらないノートをくれないか」と、頼まれて渡します。 後日、そのノートにはお客様とのやりとりがギッチリ書き込まれていたそうです。 「僕のいらないノートが父の仕事によってこんな重要な存在になるって、なんというか衝撃で。とにかく父の在宅勤務では色々な発見と驚きがありました」 と、誇らしげに話してくれました。 どれも親にとっては日常の何気ないシーン。なのに、子どもたちには強烈な印象を残しているのです。 一方で、感動エピソードばかりじゃないことも現実なのです。