エントリーシートを埋められない学生たち。『仕事に行きたくなーい』『上司が~(愚痴愚痴愚痴)』幼児期から見ている親の言動【キャリアコンサルタント】
就活のエントリーシートを埋められない大学生たち
「私は7年ほど前から、色々な大学で学生の就活支援をしています。 ほとんどの学生が就活のスタート時は迷走します(笑) 『エントリーシートに何を書いたらいいかわからない』『書くことがない』と、戸惑いながらも自分と向き合い、やがてやりたい道を見つけて、どんどん就活にも意欲的になっていきます。 その一方で、何をしても就活に前向きになれない学生がいます。彼ら曰く、『働くことは苦行でしかない』そうです。 『挑戦、成長なんて言葉は苦手。そんなのなくていい』と。 そして仕事を選ぶ基準は『お金』『福利厚生』『家から近い』『プライベートが重要』と、言います。 いずれも間違っていません。しかしあまりにネガティブです。 なぜそう思うのか? と、聞くと『親がいつもそう言っている』と、言うのです。 『仕事に行きたくなーい』『疲れた~』『楽な仕事がしたーい』『上司が~、客が~(愚痴愚痴愚痴)』 そんな風に周りから仕事のイメージを植え付けられれば、前向きになれなくて当然かもしれません。 “植え付けられる”と、強い表現をしましたが本当にそんな感じなのです。 実は、エントリーシートに『何も書くことがない』学生がいる一方で、枠からはみ出るほどぎっちり書く学生もいます。学生グループを作って海外へ行きフェアトレードを実現させたり、移民局へ行って住環境を改善する活動をしたり、企業とコラボしてショップを開店させたり。 社会人顔負けの活動に驚きますが、キッカケを聞くと『先輩たちもやっていたので、自分もできるかなって』とさらりと言うのです。 またある学生は、『母は経営なんてド素人なのに、閉園間際の幼稚園の園長になって立て直したんです。その苦労に比べたら、なんてことないです』とも言っていました。 驚くことに彼らも周りの影響で、こうした活動の“挑戦レベルは高くない”と、植え付けられているのです」
何気ない日常のなかで、親の背中をみて育つ子どもたち
「私も子育てしながら仕事をしているので、時には愚痴りたい気持ち、わかります(笑) けれども仕事のやりがいや楽しさを、子どもたちにちゃんと伝えることは、おろそかにしてはいけないと痛感します。 特別なことはする必要はありません。なぜなら学生と話していると『親の背中をよく見ているなぁ~』と、感じるからです。 そんな学生たちの印象的なエピソードを紹介します」 ※以下のエピソードは、よくある事例をもとにしたフィクションです。