SNSは犯罪を増長するのか? SNSの使い方を見なおそう
SNSが全盛を向かえてからずいぶん経ち、現在ではそれぞれに特長を持つ様々なサービスが日常生活の中で当たり前のように使われています。しかし、最近はSNSをあまり良くない報道で目にすることが増えてきました。それは、犯罪の中で容疑者同士、あるいは容疑者と被害者をつなぐ役目などに使われていたからです。一番衝撃的だったものとしては、広島県呉市で発生した女子生徒殺害遺棄事件が挙げられます。これまでの報道では、少女らが「LINE」上で交わしていたやりとりも公開されていました。
小規模化した学校裏サイト?
LINE株式会社が提供する「LINE」は、個人・グループでのチャットや無料通話などが楽しめるリアルタイムコミュニケーションサービスです。2011年6月23日のサービス開始から若年層を中心として瞬く間にユーザー数を伸ばし、2013年7月21日の時点でスマートフォンアプリの登録ユーザー数が世界2億人を突破するほどの人気を誇っています。 現在、日本国内でもTwitterやFacebook、mixiなどさまざまなSNSが利用されていますが、その中でもLINEは特に“仲間内でのリアルタイムなコミュニケーションがとりやすい”という特徴を持っています。いつでも・どこからでも好きなタイミングで連絡が取り合えるのは非常に便利な半面、たとえば深夜の突発的な集団行動を起こしやすくなる、といった側面があります。加えて、LINEの場合は特定の相手とグループチャットができるため、仲間内での絆を深める一方で、“派閥”や“論争”が生じやすいといえるかもしれません。ある意味、一時期話題となった「学校裏サイト」を小規模化したような現象も起こり得るといえます。
不特定多数のユーザーは「友だち」登録しないように
LINEは仲間内でのコミュニケーションのみに利用されると思われがちですが、実はインターネット上の掲示板などに自分のIDを書き込み、不特定多数のユーザーを「友だち」として登録するといった方法も使われています。もちろん、こうした使い方はLINE側も認めておらず、掲示板の削除依頼などの対策に乗り出しています。しかし掲示板の設置は後を絶たず、これが旧来の「出会い系サイト」に代わり、援助交際や薬物売買をはじめとした事件を生んでいるのです。 また、LINEはIDさえ分かれば友だちの申請・登録ができるほか、IDの変更や削除も簡単に行えます。この簡単さに加えて、画面越しのコミュニケーションによる現実味の希薄さから、興味本位で登録をする人もいるはずです。逆に犯罪者側にとっては、そうした部分が付け込みやすいポイントとなります。文字によるチャットならごまかしがききますし、実際に面と向かって会うまではゲーム感覚で、実感や恐怖感が薄いのではないでしょうか。