SNSは犯罪を増長するのか? SNSの使い方を見なおそう
表情が分からないオンラインコミュニケーション
まだ携帯電話が普及する前、コミュニケーションといえば実際に会って会話することが基本でした。対話をすれば、自然と相手の感情や本心が伝わりやすくなるものです。しかし、現在のメールやLINEなどでは“画面上に文字を打ち込む・読む”ことが中心で、表情を窺い知ることができません。 幼い頃からこうしたツールを使ってきた世代にはそれが当たり前であり、仲間内でのコミュニケーションも成立しています。ただし、それ故に仕草や表情などから相手の感情を読み取ったり、対面時に自分を表現することが苦手になっている可能性もあります。そして、意思の疎通ができなければすれ違いを生み、それがSNS上で言葉の暴力として発現。チャットで煽るメンバーがいればお互いに引けなくなり、自体はさらに泥沼化していくのです。
SNS=犯罪の温床とは言えない
SNSと事件の関連性について見てきましたが、「SNS=犯罪の温床」という図式が成り立つかといえば、それもまた間違った認識でしょう。確かに今回事件になったLINEでは新たなコミュニケーション手段が生まれ、登録者数の増加に伴い犯罪と絡む件数が増えてきたのは事実です。しかし、LINEはあくまでもコミュニケーションツールのひとつであり、根本的な問題はそれを使うユーザー側の知識やモラルにあります。仮にいまLINEがサービスを停止したとしても、こうした事象は新しいツールへと移行するだけです。逆に、報道される事件が多くなったことで、ユーザー自身がLINEを含むSNS全体の使い方を見直したり、周囲が改善策を模索することこそ重要といえるのではないでしょうか。