北欧の最新トレンドは?ヤコブセンやウェグナーを生んだデンマーク・コペンハーゲンのインテリア最新事情とは?
CARL HANSEN & SØN/カール・ハンセン&サン
1908年から続く老舗家具ブランド、カール・ハンセン&サン。その歴史は、デザイナーのハンス・J.・ウェグナーとの絆抜きには語れません。今年ウェグナー生誕110周年を迎えるにあたり、ショールームには彼の代表作がずらり。一番手前に展示されている「CH36」は、発表の前年である1961年にカール・ハンセン&サンのためにつくられたファーストピースで、保管時に包まれていた当時の新聞紙をまとったままで展示されていました。 オフィス空間をイメージした展示コーナーには、ウェグナーが手掛けた珍しい金物脚のデスク「CH110」やアームチェア「CH111」も。デスクの上に置かれたテーブルランプもウェグナーによるデザインの「オパラ」。ラグジュアリーなエグゼクティブ空間に、ウォルナットとスチールの組み合わせが美しく呼応しそうです。 ショールーム2階には、カール・ハンセン&サンが2020年より協働しているリッケ・フロストの新作ラウンジチェアやコーヒーテーブルも並んでいました。リッケ・フロストのラウンジチェアは優美な曲線が特徴で、人と人とが対面して語り合う場を形づくるのにぴったりなフォルム。コーヒーテーブルの天板は片方が木製、片方が大理石製で、気分やインテリアによって印象を変えることができます。 また、コーア・クリントによるチェアやベッドも復刻されました。こちらの「イングリッシュチェア」はフレーム部分にローズウッドが埋め込まれているアートのような一脚。アーム部分には絶妙なねじれが再現されています。今回このチェアの復刻に大きく貢献したのは、カール・ハンセン&サンが家具職人育成のために立ち上げたアプレンティス(見習い)ワークショップである「THE LAB」。未来の職人を育成し、技術を次につなげていく活動が世に製品を生み出しています。 ハンス・J.・ウェグナーやコーア・クリントら巨匠から、リッケ・フロストのような気鋭のデザイナーまで、それぞれの特徴を最大限生かしながらデザインと歴史への敬意が感じられたカール・ハンセン&サンの展示でした。 問い合わせ先/カール・ハンセン&サン