更地より割安「古家付きの土地で家づくり」はメリット大。宅建士が実体験を解説
土地探しから始める家づくりでは、古家付きの土地も検討してみましょう。宅建士の資格を持つライターは、希望のエリアを絞って古家付きの土地を購入。割安だったうえに、その土地に住んでから家づくりをスタートしたことで、新しい家のイメージも固まりました。気になる解体費も建て替え補助金などで軽減。実際に感じたメリットと注意点を詳しく解説します。
意外に古家付きの土地は多い!
筆者は現在、高齢者や障がいを持つ方のリフォームを、専門に行う会社で働いています。そのなかで、宅建士の仕事として「娘(息子)の家に引っ越しをするから、家を売却したい」という相談を受けることがあります。 一般的に更地の方が価格も高く、買い手も早くつきやすいのですが、こうした相談の場合は、中古物件として売り出すケースが多くあります。 更地として売り出さない理由としては、「心理的」な理由があげられます。「愛着のある家を壊したくない、できれば手直しをして住んでくれるような人に、買ってもらいたい」という気持ちの人が少なくないからです。 筆者も、7年前に築40年以上の中古物件を購入しました。そのときの売主も、まさに家への愛着から、更地ではなく中古物件として家を売りに出していました。 その際、価格としては周辺の土地価格と比べて、200万円程度安く設定されていました。現在、物価や人件費の高騰により解体費用も上がっているため、200万円という価格はあまり割安感ありません。しかし、7年前は解体費用を差し引いても、かなり割安でした。 ちなみに、その後5年間住み、2年前に家を建て替えた際の解体費用は、実質負担70万円程度でした。これは解体費用210万円からハウスメーカーの建て替えキャンペーンで40万円のキャッシュバックと、自治体の建て替え補助金100万円があったからです。
更地より割安で好条件の物件を見つけやすい
築年数がたっている中古物件というのは、探している人が少ないので、掘り出し物の土地が眠っている可能性があります。 古家付きの土地は、同じ条件の更地の土地と比較して、買い手がつきにくい傾向があります。なぜなら、更地の土地なら、すぐに家を建てることができますが、古家がある場合、まず解体作業から始めなければならないからです。 相続物件の売却などにあたり、すぐに物件を売却して現金化したい場合は、建物を解体して更地にするか、販売価格を大きく下げて中古物件として販売します。 不動産の売却で、築年数がたっている家というのは、それぐらいマイナスの要素になってきます。そのため、条件のよい土地であっても、古家がついていると、なかなか買い手がつかず、売れ残っていることがあるのです。 また、家を建てようと考えている人は、不動産ポータルサイトなどで物件を探す際、「土地」で探すことがほとんど。「中古戸建」の情報は、調べていない人が多いのが実情です。 ハウスメーカーも土地は、自社の抱える造成地が優先となります。そうしたことから、「中古戸建」はライバルが少なく、割安で好条件の物件を見つけられる可能性が大きいのです。