じーっと見つめる目のような相互作用銀河 ハロウィンにあわせNASAやESAが紹介
こちらは「おおいぬ座(大犬座)」の方向約1億2000万光年先の銀河「IC 2163」と「NGC 2207」。向かって左がIC 2163、右がNGC 2207です。2つの渦巻銀河が重なり合うように並んだその様子は、まるでこちらをジーッと見つめる何者かの目のように思えませんか? 木星の表面に現れた“顔”のような模様 この画像は「ハッブル宇宙望遠鏡(Hubble Space Telescope: HST)」に搭載されていた「広視野惑星カメラ2(WFPC2)」と、「ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(James Webb Space Telescope: JWST)」の「中間赤外線観測装置(MIRI)」で取得したデータをもとに作成されました。 ハッブル宇宙望遠鏡とウェッブ宇宙望遠鏡を運用するアメリカの宇宙望遠鏡科学研究所(STScI)によると、私たちが見ているのはIC 2163がNGC 2207の背後をすり抜けるように通過した後の様子で、2つの銀河の形態にはその時の重力を介した相互作用による影響が現れているとみられています。たとえば、IC 2163の中心部分と左に伸びた渦巻腕(渦状腕)の間には小さな渦巻腕がいくつか広がっていますし、NGC 2207からは画像上の視野外へと淡い渦巻腕が伸びているといいます。 また、IC 2163とNGC 2207はどちらも星形成活動が活発です。STScIによれば天の川銀河では毎年平均2~3個の星が誕生していますが、これらの銀河ではその10倍ほどのペースで星が誕生しています。生まれる星が多ければ死にゆく星も多く、2つの銀河ではここ数十年の間に合わせて7つの超新星が検出されています。 2つの銀河はこれからも接近を繰り返し、最終的に合体して1つの銀河になると予想されています。
毎年ハロウィンにちなんだ天体画像を紹介
冒頭の画像はSTScIをはじめアメリカ航空宇宙局(NASA)や欧州宇宙機関(ESA)から、ハロウィンの2024年10月31日付で公開されています。NASAやESAは毎年この時期にハロウィンを意識した画像を公開しており、これまでにも顔のように見える銀河のペアや木星の雲の模様などが公開されています。 Source STScI - 'Blood-Soaked' Eyes: NASA's Webb, Hubble Examine Galaxy Pair NASA - ‘Blood-Soaked’ Eyes: NASA’s Webb, Hubble Examine Galaxy Pair ESA - Webb and Hubble examine spooky galaxy pair