苦戦するレッドブルF1。代表は「自分たちが自身にプレッシャーをかけている」とチームの焦りを明かす
レッドブルF1のチーム代表を務めるクリスチャン・ホーナーは、レッドブル・レーシングがF1のコンストラクターズおよびドライバーズの両選手権において増大しているプレッシャーに直面しており、今後数週間はチームにとって極めて重要な時期になるだろうと語った。 【写真】2024年F1第16戦イタリアGP マックス・フェルスタッペン&セルジオ・ペレス(レッドブル) とりわけ第16戦イタリアGPでは、マックス・フェルスタッペンは6位につけるにとどまり、レッドブルのパフォーマンス低下が歴然としてきた。コンストラクターズランキングのトップにいるレッドブルだが、マクラーレンとの差はわずかとなっており、どれだけ勢いを失ったかが浮き彫りになっている。かつて115ポイントあった差は、現在8ポイント差と危ういほどにまで縮まり、ドライバーズランキングでフェルスタッペンが確たるものとしていた優位性も今や脅かされている。 ホーナーは、現在レッドブルが焦りを感じており、流れを変えるために大きなプレッシャーを抱えていることを認めている。 「我々は状況を好転させなければならないというプレッシャーにさらされている」と、ホーナーが認めたと『Speedcafe』が報じた。 「6位でフィニッシュするのは手痛いことであり、誰よりも自分たちが自身にプレッシャーをかけている」 ランキング2位のランド・ノリス(マクラーレン)とは依然として62ポイントの差があるが、フェルスタッペンは自分の順位が決して安泰ではないことを認めている。 「実際(モンツァでは)フェラーリが少し助けになったし、マクラーレンのふたりのドライバー同士の戦いもそうだった。さもなければ、ドライバーズ選手権ではさらに多くのポイントが失われていたかもしれない」とホーナーは述べた。 レッドブルの苦戦の根底にはマシンのバランスの問題があり、それがフェルスタッペンとチームメイトのセルジオ・ペレスがポテンシャルを完全に発揮する妨げとなっている。ホーナーによると、こうした問題は2023年シーズンの後半に現れ始めたという。しかし、2024年シーズンが進むにつれ、問題はますます明らかなものとなり、レッドブルのかつての圧倒的優位性は損なわれている。 「最も重要なのは問題を理解することだ。導入可能なある程度の修正策はあると考えている。問題全体を解決できるわけではないかもしれないが、その一部に対処できるものだ」 「モンツァの後、バクーとシンガポールの前には2週間の時間があり、その後シンガポールとオースティンの間にまた短い休みがあるので、その間に作業ができる」 「今のこの時期は重要だ」 フェルスタッペンもまた、チームの問題解決に積極的な役割を果たしてきた。彼はエンジニアリングチームと緊密に連携し、マシンバランスの問題を特定して解決するために精力的に取り組んできた。トラックサイドミーティング、レース間のエンジニアリングセッション、シミュレーター作業などに、フェルスタッペンが関与することが多くなり、そのことにホーナーは感銘を受けた。ホーナーは、逆境に直面したフェルスタッペンの成熟度とリーダーシップを称賛した。 「マックスの本当に素晴らしいところは、彼がプロセスに真剣に取り組んでいることだ。パニックに陥ることなく、エンジニアたちと協力して、どこに問題があるのかを非常に明確に説明し、時間と労力を注いでいる」 「彼はエンジニアリンググループとの連携のやり方を通して、世界チャンピオンとしての成熟度を大いに示していると思う」 現在課題に直面しているにもかかわらず、ホーナーはレッドブルの強さと才能に依然として自信を持っており、近年のチャンピオンシップでの成功に貢献してきた経験の深さを強調した。 「誰も今置かれている状況に満足していないし、満足もしていない。我々はこの状況を好転させるために本当に努力しなければならない。このチームには、層の厚さと才能の強みがある」 タイトル争いが熾烈になり、プレッシャーが高まるなか、レッドブル・レーシングはシーズンの決定的な局面に入る。今後数週間で彼らがどのように反応するかによって、彼らがリードを維持できるか、あるいはスポーツ界のトップの座を明け渡すかが決まる可能性がある。 [オートスポーツweb 2024年09月12日]