旭川いじめ再調査委が答申 尾木氏「対策の道しるべに」
北海道旭川市で2021年、いじめを受けていた中学2年広瀬爽彩さん=当時(14)=が自殺した問題で、市が設置した再調査委員会は1日、いじめと自殺の因果関係を認めた報告書を市に提出して答申した。尾木直樹委員長は「本件の調査で明らかになった出来事は、全国どこでも起こり得る。いじめ対策の道しるべとなることを願う」と述べた。 再調査では、広瀬さんは19年の入学後、クラス内外で、性的ないじめを含む計7件のいじめを受けて心的外傷後ストレス障害(PTSD)を発症したと認定。恐怖心や自尊感情の低下などが亡くなる直前まで継続しており「いじめが存在しなければ自殺は起こらなかった」と結論付けた。 背景事情として発達上の特性がある広瀬さんを周囲が遠ざけたことや、思春期の性への関心、インターネット上でのトラブルなどを挙げていた。 報告書を受け取った今津寛介市長は「内容を精査、検証し、再発防止を含めた対策を検討したい。できるだけ早く公表版の作成を進めたい」と話した。
再調査委は今年6月に結果の概要を公表した。