石破政権を陰で支えるのが自民党の森山裕幹事長。「石破総理はやはり異色の政治家」だと語る
■野党の声を聞くのは当たり前 塩田 自民党は衆院選で大敗しましたが、反面、負けて、自民党が弱くなったときの幹事長には、与野党で信頼感が高く、幅広い人脈ネットワークを持つ森山さんほど、打ってつけの人はいないのでは、という感もあります。 森山 そんなこともないです(笑)。私は党の国会対策委員長のときから申し上げてきましたが、国会は主権者である国民から正しく選ばれてきた人で構成されています。野党の意見は聞かないということではなく、できるだけ意見を聞き、与党として取り入れることができれば、そうやっていくのが当たり前のことだと思います。
塩田 自民党では今、派閥は休眠状態です。今後はすべての派閥が解消の方向を目指すことになると思いますが、政党は人間の集まりですから、人的なつながりから政策集団として存続する可能性があります。本当に派閥解消を実行していくのですか。 一方で、政策集団として残ったとしても、派閥解消で足腰が弱くなり、自民党は選挙では苦しくなるのでは、という心配もあります。 森山 派閥解消をやってきたわけですから、従前の派閥がやってきたことは、党がやらないといけない。
塩田 史上最短在職首相は1945年の東久邇宮稔彦元首相の54日ですが、石破首相は2024年11月24日に在任55日に達し、最短命記録の更新にならずに済みました。衆院選後、公明党との連立維持に加え、新しい政策協議方式による国民民主党との部分連合という「3党体制」の構築に成功したのがカギとなりましたが、この政権プランはどうやって生まれたのですか。 森山 国民民主党とは、エネルギー問題など政策が共通する部分があります。国民民主党は大きく議席を増やしました。われわれは過半数がない。その民意を尊重するのは大事なことではないかと思います。
このプランは向こうの考えです。連立に入ってやってくださるなら、それも一つの選択肢です。閣外協力も一つの選択肢です。向こうは政策を実現したいという気持ちが強い。そのことに自公としてどうお応えができるかだと思います。 塩田 国民民主党は衆院選で、公示前と比べて7から28に、議席4倍増を実現しました。 森山 よく頑張っておられると思います。テレビなどの選挙報道によれば、今回の飛躍はやはり「103万円の壁」の178万円への引き上げの訴えのところが相当に影響したのではありませんか。