写真家・作家の顔も持つ、映画プロデューサー・石井朋彦の仕事術【HOW I WORK】
仕事へと発展した趣味の写真
──映画プロデューサーと並行して写真家の仕事をスタートした経緯は? 「君たちはどう生きるか」の制作中、宮﨑監督の写真を撮っていました。フィルムカメラ以降、久しくカメラに触れていなかったのですが、フルサイズミラーレス一眼の性能に驚き、カメラの世界に目覚め、基礎から学びはじめました。 そんななか、YouTubeチャンネル「2B Channel」を運営する写真家・渡部さとるさんと縁あって知りあったんです。多くのことを教えていただき、今は番組にも出演もさせていただきながら、写真を学んでいます。 やがて撮った写真がさまざまな方の目にとまり、写真展を開催したり雑誌で写真を撮ったり、多様な機会をいただいています。
写真や構図を身近なプロから学ぶ
──ほぼゼロからはじめて、写真家になるまでのスピード感がすごいですね!コツはありますか? 写真をはじめてまだ3年半ですが、多くの方に「そんな短期間のうちに、どうやってプロの写真家になれたのか」と聞かれます。 「2B Channel」の渡部さとるさんとの出会いは大きいです。渡部さんは優れた写真家ですが、写真のおもしろさや撮影技術をわかりやすく教えてくださる。渡部さんと出会わなければ、こんな短期間で写真技術を学べなかったと思います。 もうひとりの師匠は、宮﨑さんです。二十代のころ、宮﨑さんが描いた絵を1枚1枚チェックする制作進行という仕事をしていました。宮﨑さんの絵は、構図や光がすべて、鉛筆で描かれています。 「こういうレイアウトや光が、観る人に感動を与えるんだ…」 そう考えながら毎日を送るうち、宮﨑さんのレイアウトが頭の中に蓄積していました。 撮影するとき、宮﨑さんだったらこういう構図で描くだろう。そうしたフレーミングでシャッターを押しています。
フリーランスになって使える時間は増加。任せるところは任せる
──時間の管理や節約について、なにか留意していますか? フリーランスになったことで、使える時間はすごく増えました。 会社勤めのときは、仕事以外でやることが意外と多かったのです。それが一切なくなり、仕事量は前に比べて倍ぐらいになっていますが、使える時間はさらに増えているという実感がありますね。 時間のやりくりに関しては、あらためて工夫していることはありません。 経理処理は税理士にお願いし「マネーフォワード クラウド」で、日々の入出金の情報を共有し、仕事に集中できるように任せています。