【政治解説】岸田首相と麻生副総裁 派閥解散めぐり関係に溝… 政治と金の問題に有効策は? 2024年1月世論調査解説
■自民党・政治刷新本部 75%が「期待しない」
【竹内】 本当にそうなんです。今回の世論調査では、「政治刷新本部には期待しない」という声が75%でした。ただ、少なくとも「収支報告書に正しく書かないといけない」という方向には向くべきと思います。 今回の件でも、会計責任者の秘書などばかりが立件され、厳しく責任を問われています。これでは「あれ?議員本人は“お咎めなし”なの?」と見えてしまいますよね。今の法律では、議員から積極的な指示や承認、つまり「共謀」があったと認められないと、会計責任者(ほとんどの場合は秘書)の責任となってしまいます。 やはり会計責任者だけではなく、議員本人の責任も問えるようにすべきです。そうなれば、議員も「ちゃんとやらなきゃ」となると思います。 自民党の幹部からでさえ、「議員にも責任が及ぶようにしないといけない」という声が上がっています。現職の閣僚も「秘書に任せてお咎めなしというのは、誰がどう考えてもおかしい」。総理の側近も、「収支報告書で違反があったときに、罰則を議員にも適用しないといけない」と言っています。こういう改革が必要だということは皆わかっているわけです。私は首相をはじめ、自民党がこれをきちんと実行できるかどうか、ここにかかっていると思います。
■“派閥”の解消 効果は?
【菅原】 もう一つ、“派閥の解消”というのも、ある意味わかりやすいワードと思います。 【竹内】 “派閥の解消”は全く効果が無いとはいいません。一つの手だと思います。派閥があるからこそ、パーティーをやって、所属議員にお金を配って、ということが発生します。それこそ、「ちょっとずるいことしてやろう」という動機が生まれるケースもあると思います。だから、“派閥自体を無くしてしまう”ということは、もちろん一つの考えだと思います。ただ、麻生派も茂木派も解散しない方向です。とすると、「本当に実効性があるのか」という指摘は出続けるでしょう。また、たとえ派閥がなくなったとしても収支報告書を正しく報告しなかったら、意味はありません。まずは、やはり収支報告書というものを、国民の目の前に正しく出すということが必要になると思います。 “政治と金”の問題で、議員本人が責任をとらないという構図はずっと続いてきました。岸田首相は今、大ピンチなわけですが、この問題にきちんと対応し、議員自身の責任も問われるようにして、その結果、国民に“政治と金”のあり方が透明に見えるようになれば、大きな成果になると思います。岸田首相には、ぜひ覚悟をもってやり遂げてほしいと思います。 (日本テレビ報道局 政治部デスク:竹内真/報道局解説委員:菅原薫) ■NNN・読売新聞世論調査 (1月19日から21日 全国有権者に電話調査) 固定電話426人 回答率59% 携帯電話648人 回答率41% 合計1074人が回答