今の取り組み継続を 専門家会議が会見(全文5完)長丁場の戦いに向け有効な経験
実際の感染者数はどのくらいか
日本経済新聞:すいません、ちょっとオンラインのほうの質問に移らせていただきます。お時間が許す限りでお願いいたします。私のほうから代読させていただきます。テレ朝の【フジイ 01:53:14】さんからのご質問です。感染者の全てが把握できているわけではないということですが、実際の感染者数はどのくらいと考えていますでしょうか。可能性として何倍くらいと考えられますでしょうかということです。 西浦:実際の感染者数は現在までに、重症度を利用した研究だと少なくとも発症した人で4~5倍ぐらいいらっしゃると。報告されているよりも4~5倍ぐらいいらっしゃるという研究は、ここ最近までにクラスター対策班でやっていた研究があって、また報告をする機会があればと思います。それにプラスで、不顕性だったり診断されないぐらい軽症だったりというような方がどれくらいいるかというのは、抗体調査も含めて検討しなければならないので、まだ血液学研究というのは複数のものが始まったばかりで、具体的に何倍というのはまだ申し上げられる状態にはありません。
実効再生産数の計算に使ったデータや計算方法は?
日本経済新聞:すいません、フジイさんから2問目です。実効再生産数について、求めるために使ったデータ、計算方法などを詳しく教えていただけないでしょうかということです。 西浦:この件に関しては、計算方法とデータをできるだけ開示してほしいというお話を伺っています。今の時点では、クラスター対策班の研究員というのも自転車操業で今、昼夜問わずに分析に対応していて、政策の意思決定に対応することで手がいっぱいの状態です。できるだけ近日中にその方法とか、伝え方っていうと、記者の皆さんにうまく計算方法が、ほかの専門家も交えた形で伝わるような方法というのを今、検討しているところですので、また後日アナウンスできればと思いますけど、今の時点では意思決定を最優先していることはご理解ください。
感染者数を報道する意味はどれだけあるのか
日本経済新聞:続きましてBusiness Insider Japanの三ツ村さまからご質問です。質問1点目。日々報告される感染者の数は時差がある情報です。そういった意味で、単純に感染者数を報道する意味はどれだけあるとお感じでしょうか。感染者数よりも、例えば数日に一度、民間と保健所の検査数を合計した値を示して正確な陽性率などを示したり、数日ごとに実効再生産数などを示したり、あるいは発症日データなどを開示したりするほうが良いのではないでしょうか。専門家会議から法的機関の情報の出し方、そして一般の方々の情報の見方についてご助言をいただきたいです、ということです。いかがでしょうか。 尾身:それは、今のご質問は、実は皆さんも、厚生省のホームページを見ると、これはたぶん2月ごろから、1月ぐらいから各県別のPCRの検体数が発表されていますね。累積ですけど、だんだんと引き算していけば1週間後とでも毎日でも、どれだけ、各県ですから、検体をやって、それで陽性率が何件あった。そうすると陽性率が分かりますよね。 それで実は、皆さんもご承知のように、今の分母になってる検体数はいわゆる公的のベースできているものが報告されていて、民間のベースは報告されていないんです。それでもう私どもも非公式に、これは実態が、本当は民間も今、いろんな努力で民間のほうの検査も加わってるんですけど、実はその民間のほうも加われば分母が正確になりますよね。そういうことで出していくことを今、われわれも非公式にいろんなところと検討しています。