イスラエル軍の一部が撤退 ハーンユニスに戻ってみたが…
ガザ、パレスチナ自治区、4月9日 (AP) ― イスラエル軍は4月7日、イスラム武装組織ハマスが実効支配していたパレスチナ自治区ガザ南部のハーンユニスから戦闘部隊の一部を撤収した。 その翌日、ハーンユニスに戻ってきた住民が目にしたのは、半年にわたって繰り広げられた地上戦と空爆で破壊され尽くし、ガレキの山と巨大な廃墟と化した町だった。 トラックやロバが引く荷車に乗って戻ってきたが、6カ月前まで住んでいた家やアパートは跡形も残っておらず、辛うじて残っている建物も壁や天井は崩れ落ち、子どもらが遊んだ通りは例外なく重機で掘り起こされていた。 イスラエルは昨年12月、地上戦でハーンユニスに軍を進め、近年の世界で最も破壊的な攻撃を繰り返した結果、地中海沿岸の小さな町を人が住めない状態にしてしまった。 そして今度はガザ地区最南部に残ったラファを攻撃するという。 ガザ保健当局は、7カ月目に入った戦争で、これまでに3万3000人以上のパレスチナ人、主に女性と子供が死亡したと主張。 一方のイスラエルは、昨年の10月7日には民間人を中心に1200人が殺害され、約250人が人質に取られたと指摘。 イスラエルによると、ラファはハマスの最後の拠点で、ここを攻めてテロ組織の軍事力と行政機構を完全に破壊して、残った130人の人質全員を解放しない限りこの戦争は終わらないと明言している。 (日本語翻訳・編集 アフロ)