“異色”オーディション『No No Girls』に感じる新しい波 プロデューサー「ちゃんみな」の姿勢に共感続出
近年のオーディションが再チャレンジの場になりつつあるのも、そのひとつの表れだろう。『PRODUCE 101 JAPAN THE GIRLS』などでもその傾向はあったが、それは『No No Girls』も同じ。奇しくも『PRODUCE 101 JAPAN THE GIRLS』挑戦組からも3人が出場している。 ■「音楽が好き」で結ばれた仲間として とにかく、ここまで選ぶ側と選ばれる側とのあいだに上下関係、分け隔てが感じられないオーディションも珍しい。それは、ちゃんみなと候補者たちが、「音楽が好き」という一点で結ばれる仲間でもあるからだ。
オーディションの審査中、「何かを好きって言えることって、現代では宝のようなこと」とちゃんみなが語り出した場面があった。「何が好きかわからない人っていま山ほどいる」。だから、そのなかで「音楽が好きと純粋に言える」ことの素晴らしさを表現に込めてほしい、と。 3次審査の結果を発表した回でも、ちゃんみなは、30人それぞれに合否を伝えるだけでなく、候補者全員の正直な思いを聞き、一人ひとりに真情あふれるメッセージを送っていた。
こういう場面をここまでじっくり時間をかけて見せてくれるオーディションもほとんど記憶にない。デビューするまで19回オーディションを受け、18回落ちたというちゃんみなだからこそできることなのだろう。 そんなちゃんみなが、最終的にどのようなガールズグループをつくるのか? これまで見たことのないようなガールズグループが果たして誕生するのか? 期待しつつ見届けたい。 【画像】自然体で審査にあたるSKY-HIとちゃんみなの様子も話題に『No No Girls』のオーディションの様子(5枚)
太田 省一 :社会学者、文筆家